初春の黒輝
中学の時に書いた黒歴史小説をリメイクした、黒歴史消化活動の一つです。
黒歴史な物語が続きます。
「今日も学校に行く日だ」
そんな現実を感じながら、いつの間にか家を出ていた。
家の外は晴れで、斜陽が私を照らしていた。
私の好きな時間が始まる・・・
私は友人から「疲れているのか」と心配されるぐらい、大の妄想好きである。そのため、この登校中の自分1人だけの時間は至福の時とも言えよう。
そして、この日も私は現実離れした妄想の中へと誘われるのだ。
この妄想をしたとたん、私の目の前にあるものがすべて、私の妄想の中の物へと変わるのだ。
例えば、そこの電柱は古く、堀が深い、どっしりと構えた木のように見える。それが並んでいる様は、まさに森林である。
そして、私の横を兵士や住民が通る。しかも楽しそうに通るのだ。
喜ばしくてたまらなくなってくる。
そうこうしているうちに、魔王の城門の前に近づいていた。
いや、魔王を超えた何かの門かもしれない。
だが、私は躊躇わずに入ってしまった。
あぁ・・私の至福の時間はここで終わった。
急に周りがリアルに戻りだす。それとともに私の気持ちも落ち込んでしまう。
鐘の音が空間へ轟く
私は走って教室に向かう
そして、席に着いたとき。
それと同時に前の巨人が口を開ける。
彼らは口から私たちにきれいな夢を見るように促している。
こいつには・・抗えない・・
そう呟き、私の頭は腕の囲いに入った。
目が覚めた。
いつまで寝ていただろうか・・分からない。
ただ腕の隙間から見える外界には、いるはずの同級生も先生もいない。
より一層わからない。
わかるのは、自分が寝ていたことと、私が席に座っていることである。
理由も原因もわからない。
分からないことが多くて、私の体は固まった。
人間、脳が止まると体も止まることを今ここで思い知った。
そして次に恐怖の感情が湧き出た。 ただ・・怖い
すると廊下の方から何か音が聞こえた。
「カッカッカッカッ」
誰かが歩いている音だ
よく耳を済ませる
「カッカッカッカッ」
その音はだんだんと大きくなってきていた。
「何かが迫っている」
そう確信した。
そのとたん、心の恐怖は体に現れた。
全身が震えた。
体中から汗が流れる
そして、あの硬く響く音は急に止まった
何か言いたかったが、何も言えなかった。
口さえも、岩のように固くなり、動かせなかった
扉が開く音がした
そして、床と靴が当たる音がする。
それは私の方へ近づいてきている。
タッタッタッタ
そして、私の近くでその音は止まった。
腕の隙間から外が少し見える。
私の隣に誰かいた
あのゴワゴワした布
まさしく人の制服であった
その時私の耳元に聞こえた
「フフフ」
少女の笑い声だった
不気味で仕方ない
それは、どこか、響きがおかしかった。
普通の笑い声ではない
何か小刻みに止まる声だった。
フッフフフフッ
怖さのあまり叫びたかった。
でも、叫べなかった。
少女が言った
「..ィ..ァ..ァニ」
かすれて聞こえなかった。
風が窓の隙間を通るとうな音だった。
私はここで疑問に思った。
本当にこれは「少女」なのか?
もしかしたら、これは、「少女」ではない何かではないか?
何かが言った
「いつまでうずくまっているの?」
今度ははっきり聞こえた。
だが、怖すぎて見上げようにも見上げられない。
声も身体も動かない
どうしよう、どうしようと焦っているときに
頭に冷たい何かがあたる感触がした。
次の瞬間、私の頭が持ち上がった。
首と頭はひっついている。
そう感じる。というかそうであってほしい。
目をつむったままの私にはもう何もわからない。
何が起きているのか、理解が難しい
何かが言った「いつまで目をつむいでいる」
そうは行っても怖すぎてこの暗闇から抜け出せない。
今度は瞼に冷たい感触がした
それは瞼を押して目を開かせた
そして、目の前に少女がいた。
白い肌、黒い髪、制服は黒いセーラー服、あかいリボンが前でくくられている。
そして少女が言った
「私の名前はみよ」
その言葉を聞いた途端、私は叫んだ
「みよおおおおおおおおお」
咄嗟に出た。声帯がようやく震えた
そして、恐怖をかき消すように叫んだ。
ただ必死に。
そして、私の意識は飛んだ。
目が覚めた。腕の隙間から覗いてみる。
隣にクラスメートがいる。
先生の声も聞こえる。
現実に戻ったのだろうか
それともまだ意味不明な場所のままなのだろうか
謎だった。
その時、鐘が鳴った
そうか、ここは現実だ。
それがわかった瞬間、安堵した。
とりあえず、トイレに行こう
そう思い、席を立った。
そして、トイレに向かった。
そして、手を洗い、鏡を見た。
その時異変に気付いた。
顔に真っ赤な手形があった。
にきびよりも真っ赤な、血で塗られたような真っ赤な痕が額にあった。
理解ができない。
だが、疲れているのだろうと思った。
寝ぼけているのだろうとも思った。
とりあえず、鏡から離れ、自分のクラスに戻ろうとした。
その時、窓から小刻みノックする音がした。
コンコンコンコンコンコン
恐怖のあまり腰が抜けた。
本当に動けない
怖かった。
私はすぐ横を向いた。
するとそこにいた女子たちも震えて怖がっていた。
他の子にも聞こえていた
怖くて唖然としていたが、数分経つと音が消えた。
それが収まったという安心感とともにまた意識を失った。
目が覚めるとベッドの上だった。
カーテンで仕切られていた。
おそらく保健室であろう。
ベットがあるのはそこぐらいだ。
すると白衣を着た先生が入ってきた
「大丈夫かい?」
学校医だった。
「まぁ・・大丈夫です」
そう言うと先生が続けて言った
「どうやら結構寝てたみたいだね、今ちょうど放課後になったころだよ」
俺は驚いた。
1時限目が終わった後の昼休み。
窓コンコンから俺は放課後までずっと寝ていたらしい
「とりあえず、熱計ってみようか」
そう言うと学校医は体温計を持ってきた
「とりあえず、脇に入れて、音がなったら持ってきて」
そう言われてまず脇に入れた
そして、音がなった
体温計を見ると36.5と表示されていた。
そして体温計を学校医に持って行った。
「36.5か、まぁ大丈夫っぽいね、何かあったら病院行ってね」
学校医はそう言った。
そして、私はとりあえず家に帰った。




