私は勇者アイリーン
私は勇者アイリーン。
魔王を追ってこっちの世界に来たけど、帰れなくなったし
魔王に会えたはいいものの、魔王は帰る気ないみたいだし。
はぁどうしようもないな…
そんな風に思いながらアイが下校していると、
目の前から目出し帽をかぶった男が歩いてきた。
あ、あれはヤバいやつだ…
絶対に目を合わしちゃいけないな。
そんな風に顔をそらしているとその不審者はアイの目の前でとまった。
アイが警戒した顔で
「ど、どうしたんですか?」
と聞くと、その不審者は
「ウぐゥ、、、グス、グス、、、」
いきなり泣き始めた…
アイはまったくついていけていない。
「なにかあったんですか?」
このままほっとくわけにもいかないし、一応声をかけてみる。
「あ、あなたは女神ですか?」
心の底からひねり出したような声で問いかけてくる不審者、
正直帰りたい。
「いえ、普通の小学生ですけど、、」
「そんなことはない!!
こんなかわいい小学生会ったことない!!」
あーまた泣き始めた。早く終わらないかな。
すると不審者の後ろから声が聞こえた。
「おーい、ベルアル何してんだ?」
「魔王様!!今ここに!ここに女神がいます!」
「はぁ?何言ってんだ。
ってかアイリーンじゃねぇか!」
後ろから出てきたのは私の天敵と言っても過言ではない
魔王サタンだった。
「あんたこそ何でこんなとこいるのよ!
そしてその不審者誰よ!」
「あー、こいつはあれだ、一番隊のベリアルって覚えてないか?
俺の部下だ。」
「そういえば、そんなやつもいたわね。
魔王軍ってほんとにロリコンしかいないのね。」
「それが、わが軍の固い結束の理由ってやつさ。
ベリアルこいつは勇者アイリーンだ。体は少女だが
こいつ中身はババアだぞ?」
「なるほど、それなら消え失せろロリババア。
お前と話すことはもうない。」
さっきまで泣いていたベリアルはさっと立ち上がり
軽蔑するような目でこっちを見ながら言い捨てた。
「それってひどくない?
まだ私16よ?」
「ならば、お前に聞こう。」
魔王は天に指を指し、ドヤ顔で言い放った
「腐っても鯛というがお前は腐った鯛が食べられるのかァァァァ」
「な、なに言って」
「10歳はまだ鯛だ
釣られてすぐ、ぴちぴちと言っても過言じゃない。」
「それなのに、その鯛が6年も放置されてみろ?
それはもう腐っている。つまりゴミだ!」
肩で息をしながら熱弁してくる魔王。
私はこんな奴らと戦っていたのかと思うと少し悲しくなった…
「こんなババアと話しても無駄だな!
行くぞベリアル。」
「はい!魔王様!」
魔王とその従者はそのまま道を進んでいった。
本当に何だったんだろうか…
「本当ににロリババアには困ったもんですね。」
「あぁ、確かにな
詐欺にあった気分だぜ。」
談笑しながらロリババアの方を振り返ると
「誰だ?あいつ」
「どうしましたか魔王様。」
「いや、ちょっと色々と教えてやらないといけないやつがいたみたいだ。」