表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
君に想いを届けたい  作者: sakiko
8/30

⑧告白

連合陸上競技大会1週間前。

わたしは、陸上部に参加していた。


「では、これで練習を終わる」

「気をつけ、礼」

「ありがとうございました!」


頭を下げ、陸上部が終わった。


「姫さん」

「え?」


振り返ると、そこには陵河がいる。


「これ、リーダーが付けるリストバンドだって」

「何それ?」

「キャプテンマークみたいなものでしょ。1年女子のリーダーは姫さんで、男子のリーダーはオレだから。おそろいだよ」

「おそろいか〜。あ、でも先輩も一緒?」

「ううん。先輩は違うよ。これ学年カラーで刺繍されてるから」

「ああー、じゃあ2年は青で3年は赤か」

「うん」


右腕にリストバンドを着けてみる。

陵河とわたし、2人だけのおそろい……。

白地に黒で『M Truck&Field』と刺繍されていて、黄色の糸で縁取りがされている。

本当に、本当に嬉しい!

陵河とおそろいのリストバンド。これがあれば、どんなに辛くても頑張れる気がした。


「姫さん。リーダーとして、頑張ろうな」

「うん。陵河も頑張って」

「ああ」

「なんか、わたしと陵河がリーダーって、小学校のころと変わんないよね」

「そうだな。そのまんま」


ああ、この笑顔が見れるなら、わたしはなんだってできる。


「おい姫さん。まだ時間あるから、これからテニス部行くだろ」


強い力で腕を引っ張られて振り向くと、高守が腕をつかんでいた。


「あ、うん。行こっか」

「これからまだ部活やんの〜? 超大変じゃん」

「あはは。あ、陵河、じゃあね」

「うん。頑張って!」

「頑張りまーす」


おおお、陵河が頑張ってって言ってくれた! 嬉しすぎてヤバいんだけど!

今日は良いことがありすぎるな。

右手首のリストバンドを見つめてほほ笑む。

おそろい、かぁ。

2人だけのおそろいなんて、初めてだね。

陵河にとっては何も特別なことじゃないだろうし、ただわたしが喜んでいるだけだ。

でも、それでも良い。

この恋が叶わないことなんて、百も承知だし。


「おまえ何1人でニヤニヤしてんだよ」

「は? ニヤニヤなんてしてないし」


高守の言葉に言い返す。


「陵河のこと好きっていうの、バレッバレ」

「は、はあ? 陵河のこと好きって……な、何言ってんの?」

「陵河と話す時だけ特別に楽しそうでさ……。ムカつくんだよ」

「え?」


校舎の入口で、前を歩いていた高守が振り返った。


「オレと話してる時も、もっと楽しそうにしろよ」

「いや普通に楽しいけど……」

「普通に、だろ? オレはおまえの特別になりたいんだよ!」

「え? それって……」

「そうだよ。オレは、おまえのことが好きなんだよ!」

「……」


ん? おまえのことが、好き……?


「えええええええ!?」

「そんなにビビるなよ」

「普通びっくりするって!」

「クソ鈍感なんだな」

「鈍感じゃないし!」

「ま、そういうことだから。返事考えてくれよ」


1人でスタスタと歩き始めた高守。


「え、ちょ、待ってよ!」


わたしもあわてて追いかけた。

高守がわたしのこと好き?

そんなの、ウソでしょ……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ