㉒君に想いを届けよう
連陸の次の日。
学校に行くと、みんなが「お疲れ様」や「おめでとう」などと声をかけてきてくれた。
「ねえねえ。リストバンド返した?」
廊下でいきなり陵河に声をかけられてびっくりする。
「え、ううん。まだ。今洗濯して乾かしてる」
「明日でも大丈夫だよね?」
「そりゃそうでしょ」
周りに誰もいないこの状況。
みんな教室内に入っているか、少し離れたところにある水道とトイレのところにいるだけだ。
今伝えても、今言っても良いですか……?
「ねえ陵河」
「どうした?」
「……好き」
そう言うと、陵河がびっくりしたように顔を直視してきた。
「あ、いや……」
一歩あとずさる。
「ご、ごめん。何でもない!」
さっと身をひるがえし、A組の教室に駆け込んだ。
「おお、姫さんどうした」
「あ、いや、何でもないよ〜」
全力で駆け込んだわたしに驚いて、笑いながら聞いてくる。
ああ、ヤバい。どうしよ。
「好き」って言っちゃったよ……。
ヤバい泣きそう。どうすれば良いんだろう……。
「明日ちゃんどうした?」
唯香が驚いて聞いてくる。
「ちょっと、来て……」
教室の隅に連れて行き、小声で話し始める。
「陵河に、好きって言っちゃった……」
「えええええ!? 今!?」
「うん。リストバンド返した?って聞かれて、その時に周りに人いなかったから、好きって言っちゃった……」
「陵河くんは何て言ったの?」
「何にも言ってなかった。なんでもないって言って、走って戻って来たから」
「何その中途半端な告白!?」
「自分でも中途半端すぎるって思ってるよ〜。でも逃げちゃったの……」
「よし、もう1回陵河くんと話に行こう」
「イヤだ! もう一生会わない!!」
「そんなの無理に決まってるでしょ。それに、本当にそのままで良いの?」
そのままじゃダメだ。ちゃんと、想いを伝えなきゃダメだ。
それは、自分が1番よく分かっているはずだ。
「ううん」
想いを届けたいって思ったのは、陵河が初めてだったから。
ちゃんと、心からの想いを、君に届けたい。




