表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
君に想いを届けたい  作者: sakiko
21/30

㉑学校に帰って

M中の正門をくぐると、いろいろな部活の人が並んで待っていてくれた。


「なんかすごい整列の仕方」


連陸選抜の人達で笑ってしまう。

右側の手前側からバスケ部、吹奏楽部。左側はサッカー部、野球部、卓球部、そして1番奥にテニス部。


「お疲れ様です!」


そう言って、みんなが拍手してくれる。


「姫さん! 姫さん!」

「明日奈ちゃん!」


テニス部の人が駆け寄ってきた。


「姫さん、本当に1位おめでとう」


みんなの笑顔を見たら、急に実感が湧いてきた。

今まで忙しすぎて、バタバタしてて、ゆっくり喜ぶ時間もなかったけど……そうだよね、わたし、優勝したんだ……。


「姫さん大丈夫、泣かないで」


涙が止まらなかった。

今までの練習が無駄にならなかった、そう思ったら、すごく嬉しくて……幸せで……。

まだ完全に治っているわけではない、痛みの残る右足首。体重をかけると鈍い痛みが走る左膝。

この痛みも、自分が頑張った証という気がした。


「明日奈ちゃん、本当にお疲れ様」


テニス部の先輩が背中をさすってくれる。

でも、どうしても涙が止まらなかった。

連陸1週間とちょっと前のプレ大会。

あり得ないくらいの寒さの中、あり得ないくらいの雨の中。

あの台風の中でやった大会では、わたしの100メートルハードルのタイムは17秒台後半だった。

あと少しで18秒台だったというタイム。

あの時は本当に辛くて、なんでわたしがこんなことしなきゃいけないんだろうって思った。

でも、その経験も、連陸に役立ったのかもしれない。

あの大会で頑張っていなければ、わたしは誰かに負けていたかもしれない。


「本当にすごいね。本当に……」


リレーだってそうだ。

真樹、わたし、若菜、梨奈。このメンバーじゃなかったら、きっと優勝はできなかった。

このメンバーだったから、優勝できたんだよ。


「ちょっと姫さん! なんで泣いてるの!」


テニス部の輪の中に、真樹と若菜と梨奈が入って来る。


「勝負はこれからだよ!!」

「そうだよ、次は都大会があるんだから!」


次にあるのは、都大会。

連陸とはまるでレベルが違う大会。

最低でも16秒台前半くらいが出せなければ、予選落ちだろう。

予選落ちすることは目に見えている。

だけど、せっかく出場権をもらったんだから、本気で走り抜かなきゃいけないよね!


「姫さん、頑張ろうね!」

「うん!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ