表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
君に想いを届けたい  作者: sakiko
19/30

⑲決勝(女子1年4×100メートル)

「あ、唯香!」

「唯ピーいた!」


練習を切り上げ、招集場所に向かうと、オーダー表を提出してくれている唯香がいた。


「ホントにありがとう!」

「唯ピーのおかげでリレーに出場できる……」


安心して、体から力が抜けた。

これで大丈夫なんだ。ちゃんと、リレーに出場できるんだ……。


「約束だよ。絶対に都大会行こう」

「うん。このメンバーで行くんだもんね!」


わたし達なら大丈夫。きっと奇跡を起こせる!

アンカーの梨奈が腰ナンバーをつけ、それぞれの場所へと向かう。

並んで待っていると、陵河も登場した。


「あ」


目が合って軽く会釈する。


「姫さん」


顔を上げた。


「何?」


陵河の目を真っ直ぐに見た。


「頑張ってね」


笑顔になった陵河を見て、わたしの頬もゆるむ。


「うん。陵河も、……頑張ってね」


なぜか、「頑張って」というのが恥ずかしかった。

陵河に対して本音で話すのなんて、久しぶりな気がした。


「はい、1年女子リレー決勝、入って〜」


スパイクのヒモがほどけていないことを確認し、キレイな青いタータンに足を踏み入れた。

今日初めて来た競技場だけど、一目見て大好きになった。

他の陸上競技場には行ったことあるけど、それは全て普通の茶色っぽいタータンだった。でも、この競技場は青いタータン。

もうホンットにキレイだし、見るだけでテンションが上がる。

ブルーゾーンから測ってテープを貼る。


「姫さん。頑張れ」


陵河の声が、体中をかけめぐった。

これが終わったら、連陸が終わったら、ちゃんと伝えるから。

良いイメージで告白できるように、リレーも本気で頑張るから!


「On Your Marks」


真樹、大丈夫だよ。頑張って!!


「Set」


左側から後ろを見つめる。


「バン!!」


あっという間に真樹が走ってくる。

片足がブルーゾーンを越えた時点で、リードを始める。


「はい!」


左手でバトンをもらう。


「姫さんファイト〜〜!!」


無我夢中で走る。

バトンゾーンまでが加速の範囲、そこからはトップスピードに乗って走らなければいけない。

前にいた人を抜かし、あっという間に若菜にバトンが渡った。


「若菜ファイト〜〜!!」


全力で叫び、祈りながら戻ってテープをはがした。

え、ウソ。梨奈1位じゃない?


「梨奈ファイト〜〜!!」


ホームストレートが終わるところまで梨奈が走りきった。

やったよ! 1位だよ!

リレーも、優勝だよ!!

電光掲示板を見ると『1 M 55,64』と書かれている。


「若菜! もうすごすぎるよ!」

「ホント、サイッコーの気分だね!」


走って3走の終わりのところに行き、若菜の溢れんばかりの笑顔に出会う。

梨奈、真樹も集まってきた。


「わたし達最強じゃん!」

「都大会行けるんだよね? もう……最高すぎる!」


本当に幸せな気持ちで、出場する種目の全てが終了した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ