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1分で読める短編シリーズ

電車とホームと落とし物

作者: 優木貴宏

いつからかあの人の隣で同じ電車を待つようになった。


最初は同じ時間ににホームに並ぶあなたを遠くから見つめているだけだった。


気づくと同じ車両に乗れる位置に待つようになった。


通う学校は違うから降りる駅は違うけれど、少しでも同じ空間にいれるのが嬉しかった。


今日も椅子に座れずにあなたのすぐそばで電車に揺られている。


いつだって気弱な私は話しかける勇気もなく、こっそりとあなたの顔を眺める。


きっとこの関係でいいのだ、私の片思いが実ることはなく好きだった気持ちを大切にして生きていくのだろう。


その日はたまたま帰りも同じ時間の帰りだったようで、車両は違ったけれどホームに降りたときにあなたの姿に気付いた。


改札を出ようとパスケースを取り出すあなたのポケットから白いハンカチが落ちた。


気づかないまま去っていくあなたに向かってそのハンカチを拾った私は勇気を出して声をかけた。


「これ、落としましたよ」


その時のあなたの優しい笑顔を見たときから私の本当の片思いは始まった。

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