建物内部巡り♪ 1
シノちゃんの視点です。
やっとアルフレードさんが建物内部だけだけど、観て廻っても良いと許可をくれました。但し、独りではまだ駄目で誰かと一緒ならOK!
まずは何処に行こうかな♪
やっぱり、先に副団長さんの部屋に行こうかな♪
この前は知らなかったんだけど、私に新しい本をくれた魔導師団のお兄さんが副団長のナミル・コルトーさんだった。ナミルさんも背が高くアルフレードさんより少しだけ低いけど、私にしたらかなりの長身だ。見上げるのがしんどい。首が痛くなってくるから!
う~~ん、この世界の人達ってみんな美男美女で背が高いのよね。男女問わずだよ。いつも世話してくれるお姉さん達も170cm以上あるんだもん。お姉さん達に聞いたところ大人になっていくと、みんな背が高くなるんだって!170cm以下の女性は、子供ぐらいだって……。私ぐらいに150cm台は幼児、いわゆる10歳前後にしかいないらしい!
だからなのかなぁ?アルフレードさんが私を幼児扱いするのは…………。
ナミルさんは浅黒い肌にグリーンアイ、髪の毛は銀髪。私が思うにはみんな分け隔てなく接する、陽気なお兄さんってところかな♪声は声優さんでいうと、某乙女ゲームの夢の守護聖様みたいな声かな?そんな感じの声だと思う。私は某シミュレーションゲームやアニメ、後は外国人俳優の吹替えをしている声優さんが好きなので、どうしても例えがゲームやアニメや吹替えの声優さんになってしまいます。ごめんなさい。
今日はアルフレードさんが国軍の軍団長さんのところにお仕事をしに行っている。なので副団長室について来てくれるのは、いつもお世話してくれるお姉さん達の中の一人アザリーさん。黒髪のショートカットにグリーンアイ、浅黒い肌で一言でいうと姉御って感じの頼れるお姉さん!
私は扉をノックして
「シノです!入っても良いですか?」
と、聞いたらすかさず
「シノちゃんか?入って良いよ♪」
という返事があった。
「失礼しま~す!」
あっ、アルフレードさんの執務室と部屋は変わらないなぁ、物は一緒で確かソファーもテーブルもロココ調だったかな?そんな感じだけど色はアルフレードさんの執務室がグリーン系統に対し、ナミルさんの執務室はブルー系統でまとまってるみたい………。
本棚と扉はアルフレードさんの執務室と反対になってるのね。なるほど……。
と、思いながらキョロキョロしてたら、いつのまにやらナミルさんが目の前に……。
「うわっ!ビックリした!」
ナミルさんはニコニコしながら、
「驚かして、ごめん、ごめん。シノちゃんがめちゃくちゃかわいいから、近くで眺めて見たくなっちゃった♪ほんとごめんね♪」
私はちょっと顔をひきつらせながら
「いえ、大丈夫です」
と答えた。
ナミルさんは大人4人楽に座れるぐらいのソファーに腰掛け、隣の座席をこっちおいでとポンポンと叩いて、
「今日、シノちゃんが好きそうなお菓子を手に入れたんだよね♪ちょうど、もう少ししたら持って行ったげようと思っていたとこだったんだけど良かった♪」
私は促されるままナミルさんの横に座った。
「アザリー、悪いんだけどシノちゃんと俺と君の分のお茶の用意をしてきてくれる?」
と、アザリーさんに言うと返事を聞くまでに、片手をソファーの背にまわして私の方を向いた。
アザリーさんは
「わかりました。失礼します」
と、言い部屋を後にした。
さて、ナミルさんと何から話そうかなぁ?と、思っていたらナミルさんがジッと私の方を真剣な眼差しで見つめていた。なんだろう?と、思っていると
「ちょっとシノちゃんに、聞きたいことがあるんだけど良いかな?」
「答えられる事なら何でも答えます。聞いて下さい!」
ナミルさんはいつもと違って真剣な顔で話始めた。
「シノちゃんって、今いくつ?」
「はい?」
「あっ、いや、女の子にこんな事聞くのは良くないだろうけど、見た目に比べて、その~~あの~~」
といいながら、空中で両手を身体の線をなぞってる様な手つきをしていた。
「ほら、出るとこは出てるよね!」
その後は小さい声でボソボソと
「幼児にしてはちょっとだけ胸が大きいし…………」
といいながら、また片手はソファーの背にまわした。
ちょっと私は感心して
「ナミルさんが言いたい事がなんとなくわかります。ナミルさんが思うように私の年齢は16歳ですよ!でも、よくわかりましたね」
「いやぁ、何となくそうかなぁ~って…………」
「そういえば、アルフレード団長は知ってんの?」
「いえ、知りませんし、多分気づいてないと思います」
「うーん…………アルフレード団長って、そのままだと多分気づかないままかもね!」
「やっぱり、ナミルさんもそう思いますか?」
「うん、うん」
と、ナミルさんが頷いていたらノックがしてアザリーさんが
「失礼します」
と、入ってきた。
アザリーさんが入ってきてからは、もうこの話は終わり!って感じに、あとはとりとめのない会話を3人で楽しんだ。
会話中、ナミルさんは私のそのまま降ろしている長い髪の毛の毛先を、指でクルクルと絡めたり髪の毛を撫で付けたりしていました。いつも私の側に居るときはやっているので、多分癖なんだろうね!
私は別にまぁ、さほど嫌じゃないからされるがままでいるんだけど、害はないし。
ナミルさんが出してくれたお菓子はファラフェルという名前で、見た目がドーナッツの形をしていて白砂糖がまぶしてあるの!大きさはそんなに大きくない。口の小さな私(私の母がいうには、私の口は『おちょぼぐち』だって。)でも一口で食べられるぐらいだから。そんなに大きくないと思う。
アザリーさんが用意してくれたお茶は私にはミルクティー、ナミルさんとアザリーさんはコーヒーです。なぜかというと、元いた世界でもコーヒーは苦手でいつも日本茶や抹茶か紅茶しか飲みません。小さい時はコーヒーが飲めたのですが、コーヒーの豆が古くなっていたのか良くなくて、じんましんができてしまってからは恐怖で飲めませんでした。今は甘いコーヒー牛乳ぐらいにすれば飲めるけど、そこまでして飲む気はさらさらないです。それと、紅茶でも砂糖を入れたりミルクティーはあまり好きではなく、もっぱらストレートばかりですね。元いた世界でも、まぁたまにミルクティーや紅茶にジャムを入れたり、眠れない時はロシアンティー(ロシアンティーはちょっとだけお酒とジャムを入れている。)を飲んだりしていました。
あと、ナミルさんにアイス系の食べ物はこっちではないのか聞いちゃいました。だって、私アイスクリームとかかき氷とか大好きなんだもん。どれぐらい好きかというと、例え超寒い冬でもこたつに入りながらでもアイスクリームやかき氷を食べるぐらい好きなんだけど。家族には不平不満をタラタラと言われます。
「こんなクソ寒い時に、ガリガリとかき氷をやらんといて!こっちが寒くなる。見えないところで食べてよね!」
ってな感じです(苦笑)
ナミルさんは
「シノちゃんはアイスクリームとか好きなの?…………んじゃあ、今度ご馳走したげるよ♪」
「やったあ~、ナミルさんだ~い好き♪」
と、言いながらナミルさんに抱きついてました!
ナミルさんは
「俺、かわいいシノちゃんの為ならなんだってしちゃうかも♪」
って、クスクス笑いながら私の頭をポンポンと撫でてました。
で、そんなこんなで1時間ぐらいおしゃべりをしてからナミルさんに
「もう、そろそろおいとましますね。お邪魔しました」
と、いうとナミルさんが
「う~~ん、残念っ!もっとシノちゃんとおしゃべりしたかったんだけどなぁ!シノちゃんのかわいい声をいっぱい聞きたかったのに…………。それじゃあ、部屋の外まで送るね♪」
と、私の先に歩いて扉を開けてくれました。
「じゃあ、またいつでも遊びに来てね♪シノちゃんなら大歓迎だからね♪」
と言い、私の額に軽くチュッてキスを落としました。
私はしばし………。
「ナミルさん?」
って、小首をかしげ言うと、ナミルさんはクスクス笑うばかりで、どうしたのかなぁ?
ナミルさんは、私がいなくなるまで手を振って見送ってくれました。