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俺、勇者になりたい。

作者: K

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時はX年。この町は人々が助けあって生きている。一人の若者があるチラシを持って家に帰ってきた。

「母ちゃん。見てこれ!」

「何だい?」

そこには勇者募集という文字があった。

「俺…。勇者になりたい。」

「はぁ!?何いってんの?」

「頼むよ!」

っと何度も頭を下げた。

「何があっても耐えられるのかい?ヒロ。」

「うん。」

「わかりました。」

ヒロは急いで募集の町へ向かった。ここからだと一時間はかかる。

「あっ!ミエおばさん手伝います!!」

っと洗濯物を干し始めた。

「ありがとう。」

お礼におむすびをもらった。

「じゃあ!!」

道に迷わないように気を付けながら慎重に歩いた。

「結構遠いな…。」

しばらくしてやっと目的地に着いた。

「やっと着いた。」

中に入るには許可を取る必要がある。

っと書かれた看板があった。

「おーい!誰かー。」

「何者だ!!」

「勇者のチラシを見て来ました。」

「よろしい。」

中に入れてもらった。中は凄い寒かった。

「さむ!!」

「よくきたのう…。」

そこには王様らしき人物が座っていた。

「誰だあいつ。」

「あの方は王様だぞ!」

っと頭を叩かれた。

「いてっ!」

王様が咳払いをした。

「これから試練を与えるぞ!」

「何だよ!早く言えよ!」

また頭を叩かれた。

試練と言うのは森の中にある白菜草を取ってくることだった。

「なーんだ簡単じゃねぇか!」

最初はそう思っていたがなかなか見つからず…。

「あーもうどこにあんだよ!!」

くさが動き何かが飛び出した。

「なんだよ!?」

「お前誰だ?」

よく見るとタヌキがしゃべっている。

「タヌキ…?」

「何しに来た?」

事情をはなすとタヌキはしばらく考え込みやがて口をひらいた。

「オレも手伝う!」

「はぁ!?」

「パートナーになろう!」

「嫌だね。俺は一人で勇者になりたいんだ!!」

タヌキに足を踏まれ思わず声を上げた。

「いてっ!何しやがる!!」

「だからお前をオレが勇者にしてやるから。」

(本当に信じていいのか?)

半信半疑だがタヌキのあとについて行った。奥へと進むと光輝くものがあった。

「これか!?」

「ちがう。それは光草。白菜草はあれ!」

指をさした方向をみると光草とはかけはなれた地味な草がはえていた。

「これ…なのか?」

「うん。」

「何か今にも…。」

「文句あんの?」

首をふるとタヌキは笑顔で言った。

「言っただろ?オレがお前を勇者にしてやるって!!」

「お前いいやつだな!」

白菜草をとり城へ戻った。これで勇者になれるっと思っていたのだが結果は不合格。

「何でだよ…。」

「また新しい試練がある。」

「だいたいおまえが勇者にしてやるからって言っときながら…。」

「王様は白菜草を光草と思っている!!」

「なんで?」

だがタヌキは何も答えなかった。

「きいてんのか…。」

「詳しくは知らないが一応君には話しておく。」

「何だよ…。」

「オレの家族は王様に殺された。」

タヌキの話しによると光草は使い方を間違えると悪魔草になって命を奪ってしまうという。王様はそれをわかっていて使ったらしい。

「まってよ…。さっき王様はそれを知らないって…。」

「光草は抜くと光が消えてしまうんだ。」

「どういうことだよ。」

「つまり王様は。光草を白菜草という名前に変えたんだ!!」

俺は意味がわからなかった。

「意味はわからないと思うでもそれでいいんだ。」

「さっきは何か…。パートナーになろうぜ!」

「うん!」

この近くにホテルがあるということ聞きそこに向かう事にした。

「さっきいい忘れてたげど…。いやっ!いい。」

「何だよ?」

「なんでもない。」

しばらくしてホテルが見えてきた。お金はいらないらしい。早速中に入るときれいでびっくりした。

「くつろいで。あっ名前きいてなかったな♪俺はヒロだ。」

「俺はルーズ。」

「かっこいいな!」

するとルーズは恥ずかしそうに笑った。

「次の試練が楽しみだ!!」

「気を付けてね!ヒロ!!」

「ああ!」

いつしか二人は絆が深まっていった。

「起きて!ねぇヒロ。」

いつしか朝になっていた。

「んー。おはようルーズ。」

「また行くよ。王様のとこ!!」

「わかったよ。」

支度をして城に出掛けた。

「何だ?そのタヌキは。」

「パートナーのルーズです!」

説明をすると王様が声をあげた。

「あのルーズか?」

「はい…。」

「よく生きていたのう…。」

「試練はなんでしょう!」

話をさきに進めようとしたが王様がルーズを嫌っているのか口を閉ざしてしまった。

「王様!!」


「わかったわかった!次の試練はウサギを捕まえて来ること!以上じゃ!」

「ウサギウサギ…。」

探しているのだがなかなか見当たらない。

「なぁルーズ。」

ルーズをみると悲しそうな顔をしていた。

「元気だせよ!あんなやつの事なんかきにすんな!」「王様を殺して…。」

「何で?」

「今でも動物を殺してるって聞いた。」

「わかった!」

「ヒロ。」

ルーズは涙で顔がくしゃくしゃになっていた。

「王様には仕返しをしてやるから!絶対に!!」

「ルーズ!」

誰かの声が聞こえた。辺りをみるとウサギがいた。

「ウサギだ!!」

「生きてたんだ…。」

ルーズの話しによるとこのウサギはミエールと言ってルーズの友達らしい。

「ミエール。」

「王様は?」

ミエールに王様の事を話した。

「そうなんだ…。」

「どうにかしてウサギを捕まえないとな!」

「ウサギを捕まえないで!」

「えっ!?」

「ここら辺のウサギは私の友達や家族なの…。」

ヒロはいったん困ったがあることを言った。

「じゃあ!本物そっくりのウサギをつくろう!」

「ヒロ…。でもばれたら…。」

「きにすんなよ!俺も王様のやり方にはきにいらねぇんだ!」

っと力づよく言った。

「お前らも手伝ってくれるよな?」

「うん!」

「はい!」

色々な道具を組み合わせてウサギが完成した。

「よし!できた。」

「騙せるかな?」

「ばれたらばれたらだ!」

「行こう。」

城へむかった。

「持ってきたのかな?」

「はい!」

ウサギをみせた。

「なんじゃ?」

「ウサギです!」

「偽物じゃないか!」

(やば!)

あわてて逃げようとしたとたん王様の剣が投げられた。

「あぶねぇだろ!」

「決闘じゃ!!」

「やってやんよ!」

そして王様と決闘が始まった。

「ヒロ…。」

「ヒロならきっと大丈夫!」

二人は心配そうに言った。

「なぜウサギを連れてこなかった!!」

「動物たちも俺たちと同じで頑張って生きてるんだ!!」

剣を振ったが王様に交わされた。

「何を偉そうに!!王様じゃぞ!」

「あんたのやり方には気に入らねぇんだ!!みんな!」

「だまれ!!」

王様の剣がヒロの顔をかすった。

「目を覚ませよ!」

王様に剣を突きつけた。

「殺さないのか?」

「俺は勇者になりたいんだ!!」

「そうか…。」

「こいつを牢屋に連れていけ!!」

兵士たちは戸惑っていた。

「はやく!」

「わかりました。」

王様は牢屋に連れていかれた。ルーズとミエールが駆け寄ってきた。

「大丈夫?」

「ありがとう。」

「どうやったら俺は勇者になれるかな…。」

「うちへおいで。」

っと言われてルーズの家に行く事にした。

「わぁ!凄いやー」

「私もいいかな?」

「うん。」

ヒロはこんな事を聞いてみた。

「二人は恋人なのか?」

「いやっ!」

「何きいてんだよ!」

っとルーズに怒られた。

「仲はいいって言われるよ!!ね!ルーズ。」

「うん。」

ルーズは恥ずかしそうに答えた。

「そうか…。何かうらやましいな…。」

「何で?」

「俺さ兄弟いなくて母ちゃんと二人で暮らしてたから友達もあんまいなくてさ…。」

ルーズとミエールは何て答えたらいいか分からず顔を見合わせた。

「わるい!!」

「いいんだよ…。」

「私たちじゃダメかしら?」

「そうだよ…。」

「もちろん。」

ヒロは笑顔で答えた。


「ヒロはいつ帰ってくるんだい?」

家ではお母さんが心配をしていた。

「ヒロはいいな…。いつも笑顔で」

「そうか?」

「どうしてヒロは勇者になりたいの?」

「実は…。」

ヒロの名前の由来はお母さんがヒーローからとった名前で強く生きて欲しい周りの人を守れるようになって欲しいからヒロと名付けてくれた事を話した。

「お母さん…。ヒロはその通りだよ!」

「オレもそう思う!!」

「ありがとう。」

「これからどうするの?」

「お家に帰ったら?」

っとミエールは心配そうに言った。

「俺は勇者になるまで家にはかえらねぇ。」

「ヒロ…。」

すると誰かがやって来た。

「あの…。」

「誰だ?」

「あっ!ジーン叔父さん!」

「ジーン叔父さん!?」

「物知りの叔父さんよ。」

二人はジーン叔父さんを中に入れた。

「よう。生きてた。ルーズよ。」

「家族はいないんだ…。」

(ウサギにタヌキにアライグマか…。)

ヒロは不思議そうに思った。

「この人はヒロ!勇者になるためにここに来たんだ。」

「王様をやっつけてくれた。」

「はじめまして。」

「はっはじめまして…。」

ヒロは少し緊張気味に言った。

「やっつけたわけではないです。正確には牢屋に入れたんです。」

っとあとから訂正した。

「やっつけてくれたことには変わりありません。ありがとうございます。」

「勇者になるためにはどうしたらいいんだ?」

「そういう事ならわしに任せなさい。」

ジーンのあとをついて行くとそこには光輝くものがあった。

「これは剣です。あなたに託します!!」

剣を握るとパワーが感じられた。

「すげぇ…。」

「勇者だ!!」

「ヒロおめでとう!」

「あなたこそが勇者です。」

ヒロはあまりの嬉しさに涙を流した。

「感動した。」

「わしらはここまでじゃ!!」

「パートナーは?」

「これからまた見つけて!」

「あなたのことは忘れないわ!!」

ヒロは別れを告げ新しい一歩を踏み出した。涙をこらえながら。

(ありがとう。俺を勇者にしてくれて…。)

パートナーを探していたら途中でランという少女に出会い仲間にした。

「よろしく。ヒロ!」

「よろしくなラン!!」

そしてわるいやつを発見。ヒロはあっという間に片付けた。

「すごい良かった!」

「ありがとう。」

ヒロは恥ずかしそうに答えた。

ヒロとランは共に闘いわるいやつを倒した。その噂はたちまちヒロのお母さんにまで届きお母さんは嬉しくてないていたという。

「ヒロ…。あんたって人は!おめでとうございます。」

「母ちゃん!」

ヒロが家に帰ってきた。

「ヒロ!!」

お母さんは抱き締めた。

「いたいよ。」

「心配かけて…。」

「ごめんなさい。」

「勇者になれたんだね…。」

「母ちゃん?」

お母さんを見るとないていた。

「夢が叶ったかい?」

「うん。」

「ヒロ…。今までごめんなさい…。」

「いいんだよ…。」



「ヒロ元気にしてるかな…。」

「大丈夫だよ。」

ミエールはルーズを慰めようとした。

「元気をだしなさい!」

「はい!」

(何かルーズはヒロみたい…。)

ミエールは心の中でおもった。

「今ごろ何してるかな?」

同じ頃同じ空をルーズとヒロは見上げていた。

「今ならあの話がわかる気がする。」

ヒロは光草を抜くと光が消える。消えると白菜草みたいになるっと理解したのだった。

(またどこかへ会えるよな…。おまえたち…。)

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