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第七十六話 世界樹の試練
扉を越えた瞬間、景色は変わらなかった。
白い大地。
絡み合う世界樹の根。
天も地も、距離感のない空間。
だが――
**“同じ場所に戻ってきた”**という感覚だけが、確かにあった。
一歩進めば、進んだはずなのに。
一日を終えれば、確かに夜を越えたはずなのに。
翌朝、立っている場所は、必ず同じ。
逃げ場も、出口もない。
『――ここは、無限回廊』
世界樹の声が、淡々と告げる。
『主らの心が折れるまで、終わらぬ』
『だが、折れねば――
扉は、再び現れる』
それが、条件だった。
ルールは、残酷だった
・一日に一体
・必ずレベル10相当
・討伐しなければ夜は来ない
・逃走不可
・同じ敵は二度と出ない
休息は、戦闘後のわずかな時間だけ。
精霊は応えるが、情けはない。
半年。
百八十日。
その間、
百八十体の“世界級”モンスターが、
一日一体、必ず現れる。




