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『昔やっていたテーブルトークRPGの世界に転生し、精霊に好かれるところから始めます』  作者: ゆふぉん


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第六十六話 決着!

違和感が、先に来た。


 目で見えたわけじゃない。

 形が分かったわけでもない。


 ただ――

 重さが、集中している。


 大地全体が意思を持っている。

 だが、その意思を“保っている何か”が、確かにある。


(……中心が、ある)


 踏み出そうとした瞬間、

 足元の大地が沈んだ。


 重力が跳ね上がり、

 肺が押し潰される。


 立つこと自体が、拒絶されている。


 大地の精霊王ベヒモス。


 言葉はない。

 威圧も、宣告もない。


 ただ、世界が「否」と告げている。


 次の瞬間。


 空間が歪み、

 無数の岩塊が弾丸のように放たれた。


 ストーン・バレット。


 回避不能。

 防御不能。


 結果は決まっている――

 はずだった。


 ユウトの意識の奥で、

 あの感覚が静かに立ち上がる。


 前世で、何度も握った二つのサイコロ。


 振るという行為すらない。


 ただ、

 「成功する結果だけが起きる」。


 六。

 六。


 六ゾロ。


 その瞬間。


 世界の挙動が、わずかに狂った。


 岩塊同士が干渉し合い、

 本来交わらないはずの軌道がぶつかる。


 重力の向きが、一瞬だけ乱れる。


 大地の支配から、

 説明不能な“空白”が生まれた。


 ベヒモスは、それを理解しない。


 理解できない。


 なぜならそれは、

 世界の法則ではないからだ。


 だが――

 結果だけは、現実になる。


「今……!」


 サラの声。


 イルクの風が、その一瞬を固定する。

 クラーケンの水が、逃げ道を断つ。


 ユウトは踏み込んだ。


 狙っていない。

 見えてもいない。


 “届くと決まった場所”へ、剣を振る。


 イフリートの破壊が、刃を赤く染める。


 剣が――

 大地そのものに、触れた。


 音は、なかった。


 衝撃も、なかった。


 ただ、

 世界が役目を終えた感覚だけが残る。


 ベヒモスの巨体に、亀裂が走る。


 怒りも、悲鳴もない。


 大地が、静かに崩れていく。


 敗北ではない。

 破壊でもない。


 役割の終了。


 岩が砂へ、

 砂が光へ変わり、

 そのすべてが剣へと還っていく。


 精霊王の剣が、深く、重く震えた。


 大地の精霊王ベヒモスは、

 最後まで沈黙したまま――

 剣の中へと宿った。


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