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『昔やっていたテーブルトークRPGの世界に転生し、精霊に好かれるところから始めます』  作者: ゆふぉん


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第六十三話 宝箱

 波の音が、消えていた。


 さっきまであれほど荒れていた海は、嘘のように静まり返り、

 白い砂浜には、ただ重たい沈黙だけが残っている。


 クラーケンの巨体が消えた場所。

 そこに――


 宝箱が、あった。


 岩に半分埋もれるように、しかし確かに“置かれている”。


「……迷宮って、こういうところがあるのよね」


 サラが小さく呟く。


 罠の気配はない。

 殺意も、敵意も感じない。


 ただ――

 待っていた、という感じだけがした。


 ユウトは剣を納め、ゆっくりと近づく。


「開けるよ」


「ええ。慎重に」


 指先が、宝箱の蓋に触れた瞬間。


 冷たい感触。


 だがそれは、嫌な冷たさではなかった。

 澄んだ水に触れたときの、あの感覚に近い。


 ――カチリ。


 鍵は、抵抗なく外れた。


 蓋が開く。


 その瞬間、

 水音がした。


 実際に水が流れたわけではない。

 けれど、確かに“水が満ちる感覚”が広がった。


 宝箱の中にあったのは――


 一着の精霊衣。


 透明な蒼と白の布が幾重にも重なり、

 光を受けて、水面のように揺らめいている。


 鎧ではない。

 だが、ただの衣服でもない。


 サラは、思わず息を呑んだ。


「……これは……」


 精霊文字が、ゆっくりと浮かび上がる。


 ――《潮紋の精霊衣》


「……ウンディーネの……?」


 その名を口にした瞬間、

 空気が、わずかに柔らいだ。


 水の精霊が、喜んだのが分かった。


 サラが、恐る恐る手を伸ばす。


 指先が布に触れた瞬間――

 濡れない。


 なのに、冷たくもない。


 まるで、水そのものが形を取っているようだった。


「……重くない」


 ぽつりと、サラが言う。


「動きやすい……というより……」


 精霊衣が、静かに彼女の体に沿う。


 留め具も、締め付けもない。

 それなのに、隙間がない。


「……一緒に動いてる感じ」


 ユウトは、少しだけ笑った。


「サラ向けだな」


「……ええ。そうね」


 否定はしなかった。


 精霊衣は、完全にサラを“選んでいた”。


 その時。


 宝箱の底で、もう一つ、淡く光るものが見えた。


 だがサラは、すぐには手を伸ばさない。


 精霊衣を見つめ鑑定した。


基本設定

•分類:アーティファクト(等級8)

•使用者制限:精霊術Lv6以上

 外見:

•透明感のある蒼と白の布装

•水面のように揺らめく紋様

•実体があるのに濡れない

•動くたびに水音がしない(=隠密向き)


防御性能

•防護点:8(アーティファクト相当)

•重量ペナルティ:なし

•回避修正:+1(流水補正)


固有スキル


水流防御パッシブ

•水属性・氷属性ダメージ 半減

•物理攻撃を受けた際

 → 水流が衝撃を逃がし、防護点+2として計算

※見た目は「水がぶつかって流れる」


② 精霊親和:ウンディーネ

•ウンディーネ使用時

 MP消費 -1

•水系精霊術の効果量 +2


③ 状態異常耐性:冷静なる水

•炎上/毒/混乱/恐怖

 → 判定に+2補正

•特に「高熱・内熱系」状態異常に強い


④ 水上歩行(アクティブ/MP2)

•一定時間、水面を地面同様に移動可能


サラはすごい、、そして素直に綺麗だと素直に思った。


 世界樹の内部で、

 水の精霊が、確かに彼女を祝福していた。


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