【8月5日(火)晴れ時々筋肉痛】
目覚めてすぐに、鏡の前でポーズを取ってみた。
まだ何も変わっていないが、気持ちは“モテの予感”に満ちている。
鏡の中の自分が、ちょっとだけ主人公っぽく見えた。寝癖はすごいけど。
◆作戦その4:筋肉こそ正義?
昨日の自分との約束を守るべく、朝イチで腕立て伏せに挑戦。
5回が目標だったが、3回目で肘が震えだし、4回目で「うっ」と叫び、
5回目は完全に床とキスした。フレンチじゃなくて、ベタ付きのやつ。
でも、汗をかいて気づいたんだ。
僕は今、「モテたい」と「自分を変えたい」の狭間にいる。
それってつまり……青春じゃないか?
午後は筋肉痛とともに図書室へ。
昨日の吉岡さんが「今日は恋愛小説?」とまたしてもニヤニヤ。
僕:「違います。筋肉です」
吉岡:「……は?」
『部活別トレーニング入門』を借りた。
でも帰り道、「ラグビー部向け」と気づいた。参考にならぬ。でかすぎる。
夕方、公園を歩いていたら小学生に「お兄ちゃん、筋肉ないね」と言われた。
うるせえよ、未来のオレは超ムキムキだわ。
でもそのとき、偶然、近所の高校の女子たちが笑いながら通りかかった。
僕のTシャツ、脇のところに思いっきり汗ジミ。
彼女たちは、目を合わせないようにして去っていった。
これは……まだ、時期尚早だったかもしれない。
→【本日の結論】
・筋トレは、モテへの第一歩ではあるが、即効性は皆無。
・汗ジミと羞恥心は、隠しきれない。
・でも、心の筋肉はちょっとだけ強くなった(気がする)。
明日はついに奥の手、
「謎のポエムをノートに書いて女子の前で落とす」作戦を決行予定。
タイトルは『孤独な銀河に咲く片思い』。
……これは、もしかして、いけるのでは?(震え声)