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ある日突然。娘がタイムスリップしてきた件  作者: りおの古書店
5日目
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5日目(5)


 翔君の言った言葉が、私の中で何度も響き続けていた。


 あの言葉は、きっと自分に対する戒めの言葉なのだろうと分かっていながらも、それは私にも痛いほど刺さっていた。


「私は別に、翔君にそんな風に思って欲しかった訳じゃないんだけどな……」

 そんな言い訳を呟いても、そう思わせてしまったのは、私が子供だったせいなのだと痛感させられる。

「子供なのは私の方だよね」

 本当にこの時間に来てよかったのか、まだこの時間に居ても良いのか、そうやって私はまた一人で考え込んでしまう。


「翔君は凄いな」

 私が面白半分で逃げてきた世界で、翔君は葛藤して、逃げずにしっかり向き合って、それでまた私の為に強く成ろうとしていた。

「私が頑張ったのなんて『褒めてほしい』その程度の理由だったのに……」


 私は公園のベンチに座りながら、妙に青い空を見上げる。

「私だって、翔君が思うほど凄い人間じゃないんだよ」

 私は見下ろしてくる青空に向かって、誰にも聞こえない様な小さな声で弱音を吐き出す。

「でも、やっぱりこの言葉を聞いたら翔君は怒るんだろうな」

 そんな風に語りかけても、青空は当たり前の様に返事をしてはくれない。


「……大人にならないといけないのは、私の方だよね」

 そう言葉に乗せて自分に言い聞かせるが、それだけで大人になれる訳も無くて、私は大きくため息をつく。

 ここで今帰るのは大人がする事では無いだろうし、この時間に居て自分の時間に帰らないのも私が憧れた大人では無くて、私は身動きが取れなくなってしまう。


「まあ、だからって、此処に居るだけなのがもっとダメだよね」

 何度も考えてから、独り言を空に投げると、私はゆっくりとベンチから立ち上がる。


「でも、最後に一目だけでも……」


 それだけ分かっていても、未練がましい私は二人の事が気になってしまい、学校の方へと足を進めてしまっていた。



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