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ある日突然。娘がタイムスリップしてきた件  作者: りおの古書店
4日目
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4日目(2)


 島田さんは僕の横に並んで歩くと、僕を挟んで反対側に居る雫の姿をじっと見つめて、叱る様な声を出して話し始める。

「もー雫。女の子なんだから、髪くらいは解かしなさいよ」

「え~。めんどくさい~」

「面倒とかじゃないの。ちゃんとしたら可愛いんだから」

「海ちゃんうるさい~」

「う、うるさくは無いでしょ」

 そんな二人の微笑ましい会話を見て、一昨日までは余裕が無く、気が付かなかった違和感を二人に質問する。


「なんだか、二人仲良いね」

 僕の言葉に二人は顔を見合わせてから、何を会話するでもなく二人一緒に僕を見上げて、瓜二つの自慢気な顔で笑みを向けてくる。

「ある人のお陰だけどね」

 島田さんはそう言うとウィンクをしてきて、見た事も無いその挑発的な態度に僕は思わずドキッとしてしまい、なんだか照れ臭くて顔を背けてしまう。

 そんな僕の反応を見てか二人は笑い声を零し始めて、耳に入ってくるその音に、僕は益々恥ずかしくなってしまう。


 僕が言葉に詰まっているのを察したのか、島田さんは別の話題を振ってくれる。

「それにしても、今日は柊君にしては朝遅いね」

「ああうん。雫がなかなか起きなくてこんな時間にね」

「だって、翔君がさぁ」

 僕が機嫌を直して言葉を返すと、雫が拗ねた様に頬を膨らませて反応を示す。

 だが、そんな会話を遮って、島田さんが不思議そうな声を出して僕達の方を見ながら質問を投げかけてくる。


「えーっと、どうして雫が起きないと柊君が遅くなるの?」


「え? あっ……」

 気を抜いていた僕は、その咄嗟の言葉に何も返す事が出来ず、声を漏らしながら目を泳がせて頭を回す。

 すると、僕が目を泳がせた先に居た雫も同じ気持ちだったのか、助けを求める様な顔をした雫と目があってしまう。

「柊君? 雫?」

「は……はい」

「うっ……はい」

「詳しく聞かせてくれるかな?」


 その温度の無い声とは裏腹に、笑顔のままの告げられた島田さんの言葉で、僕はお腹が痛くなるのを感じた。

 そして、そんな僕の横では、見るからに顔色が悪くなって冷や汗を流している雫の姿があった。

「「はい……」」

 言葉もタイミングもまるっきり重なった雫の声に、やっぱり僕達は親子なんだなと、そんな考えが頭を過った。


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