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ある日突然。娘がタイムスリップしてきた件  作者: りおの古書店
1日目
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1日目(1)


 僕は平日の朝だというのに、机に座って何をするでもなく暇を謳歌していた。

 少しずつ教室に人が集まってくるのを感じながら、僕はそれを気に掛けるでもなく日差しにあたって温かくなった机に突っ伏して、春風に揺さぶられながら不規則に舞い散る桜をただただ、窓越しにボケっと眺めていた。


 この高校に入って桜を見るのはこれで二回目のことになる。来年が受験生だなんてことは、クラスの誰も、ましてや僕自身も考えるようなこと放棄する。そんな時期だ。

 そんな風に身にならない事を考えていると、透き通るような声が耳に入ってきて、僕の体は少しだけ反応する。


「おはようございます」


 僕は目立たないように突っ伏した状態まま、その声がする方に目線を向けると、腰まで伸びた長い髪を交互に揺らしながら、声の主の女の子が僕の方へと真っ直ぐ歩いてくる姿が目に入ってくる。

「おはようございます」

 僕が座っている隣の席に着くと、僕の視線に気が付いたのか彼女はそれに返すようにニコッと笑顔を向けながら挨拶をしてくれる。

 僕はその言葉に返事をするべく、急いで体を起こして口を開く。


「あ、うん……」

「おはよう、島田さん!」

 しかし、僕が上手く声を出すことが出来ずにぼそぼそと声にならない音を出すと、それをかき消す様に、僕の言いたかった言葉を使って現れた彼女の友人達に、一瞬で目の前を塞がれてしまい、視界からの中から島田さんの姿は消え去ってしまう。

 僕は挨拶も出来ない自分に呆れかえりながらも、渋々先程よりも嫌に鮮やかなピンク色をした桜へとその視線を戻していった。


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