進め!探検隊!
「凶暴なる野人、バントゥーチン!
とある国の密林の奥深くに生息し、近づく者に容赦なく危害を加える恐ろしい怪物!
この日我々、増岡探検隊はその野人を捕らえるべく
密林奥深くまで草をかき分け入った。
待ち受けるのは大自然の洗礼。恐ろしい罠の数々。
巨大血吸い昆虫! 奈落の穴! ぬかるみ!
更に通常の大自然で目にすることがない奇々怪々の数々!
白く変質した木! 大小さまざまな抜け殻! そしてこれは何らかの部品!
まさかバントゥーチンの正体は墜落した宇宙船の乗組員、つまり宇宙人!?
それとも、そこの草陰で発見したロボットの頭部! それが奴の正体なのか!?
そして、未だ形を損うことなく残っているこれは……
古代人が作ったオーパーツ! ガラスによく似た素材のようだが
土器の類なのか! 果たして! 我々の! 運命は! いかに!」
「はぁ……社長、うるさっ!」
「仕方ないだろう。本人がああしたほうが気分が盛り上がるだろうって聞かないんだから」
「自然公園のゴミ拾いなんて盛り上がりようがないわよ!」
「で、でもボランティアは大事ですからねっ、がんばりましょう」
「はいはい、周辺地域へのアピールでしょ? 共に生きるだの一体だのなんだの。
まあ、お得意様とかもあるんでしょうけど
はぁ、こんなことしたくてこの会社に入社したわけじゃないのに
さっき見かけたテレビなんて重い物、私運びたくないわよ」
「おお! ミヨコ隊員! 今手にしたそれはまさか、伝説のマッシュルームか!」
「ただの発砲スチロールですよ隊長。まぁ確かに偶然、形がキノコに似てますけど」
「よくやった! もしかしたらすごい高値がつくかもしれないぞ!」
「つきませんてまったくもう……」
「ちょっと嬉しそうじゃん」
「うっさい」
「ふふふ。あ、何でしょう、今の黒い影……う、嘘、あ、あれ……野人!?」
「え、マジか」
「いや、違うわ! あれは不法投棄者よ! 隊長! たいちょ……速!」
「うおおおおぉぉぉ! バントゥゥーチィィィン!」
「あの怪物相手に隊長一人だけじゃ危険だわ! 行くわよ!」
「ノリノリじゃん」
「ふふふ」
「……凶暴なる野人、バントゥーチン!
今回、我々の捕獲作戦の網にかかったのは残念ながら
残忍な密猟者に過ぎず、成果はなかったと言わざるを得ないが
我々は諦めない! この敗北感も我々の絆を深める要因となったに過ぎない!
そこに謎が、未知が、宝がある限り、我々の探検に終わりが来ることは……ない!」
「警察に引き渡したけどあれがバントゥーチンじゃダメだったの?」
「社長的には目的のものが見つからない方が成功なんだよ」
「ロマンを追い求め続けるんですねぇ……素敵」
「何それ。あ、社長がこっち見てる。ん、何?」
「我々の探検に終わりが来ることは……」
「え、な、なに?」
「せーので。我々の探検に終わりが来ることは……」
「「「「ない!」」」」




