もうひとりの姫
この作品を御ひいきにしてくださっている、心の広い皆様。
お待たせいたしました。
二か月の時を経て、姫と悪魔と魔法は復活致します。
それでは、はじまりはじまり。
二重人格という言葉を知っているだろうか。
それは、普段の性格とは別の性格をもつ存在を指す言葉だ。
「ねぇ、ルカ。知ってる?」
「二重人格ですか?知っていますよ。一応」
就寝前のアリアの問いち、ルカが爽やかに返しました。
「じゃあ、もしかしたら、二重人格ってのは、一つの身体に二つの魂が入ってるせいで起きることもある現象ってのは?」
「え?」
一つの身体に二つの魂?
「ふむ。聞いた事はありますね」
するとアリアは、嬉しそうに瞳を輝かせました。
「私、それ!」
静寂が訪れました。
風の音、木々のざわめき、水のせせらぎ、遠くの鐘の音、二酸化炭素がはじける音、ネズミがくしゃみをした音、オーロラの音、その他の音。音。音。
悪魔の絶叫。
「はぁいィィィィィィィィィィィィィィ!!?」
「あのね。実はね、私には、魂の双子の妹がいたの」
「…いつ発覚しました?」
「ルゥ君が呪いの一部を貰った時」
しゅん、とアリアはうなだれます。
せもすぐに顔を上げました。
「見た目は私にそっくりなの。目は銀色で、翼と着ているものが黒なの」
「え?ああ!」
最近、ルカの前に現れる女の子の姿です。
「幻覚じゃなかったんですね。よかった。俺はそろそろ死ぬのかと思ってましたよ」
竜王がぴょこっと出てきました。
「悪魔も死ぬのか?」
「いや、表現的には消えるって言った方が正しいんですかね。どうでしょう」
話が脱線してきたので、アリアは即修正に入ります。
「とにかく、紹介するのよ!」
「何ですって?はっ!待ってください姫様。お茶を…」
「カモーン!」
「姫様ぁぁぁ!何故に英語ぉぉぉぉ!?」
ルカの叫びも虚しく、黒い翼の少女は現れました。
アリアそっくりの可愛らしい顔立ちに表情は無く、感情の無い両目は銀です。
「私の影なんだって。影って呼んでね」
左目を隠しながら、アリアが言いました。
影は、ぺこりと感情のこもっていない礼して、逃げるように消えました。
「あれ?」
「あ、ごめん。あのコ、人見知りが激しいんだ~」
アリアは左目を開けながら言いました。
「そうなんですか」
ルカは、ミルクを入れた紅茶を差し出しながら返します。
アリアはそれをいただき、雪兎を抱いて寝台へと消えました。
夜の小屋には、しばらく悪魔が家事をする音がしていましたが、やがて音は止み、森に静寂が訪れました。
自分でもまさかこんなに更新をサボるとは思いませんでした。
しかもこの話を下書きしたのは五月。
何をしとんじゃぁぁぁ!!己ェェェェェェ!!!ってなもんです。
もうね、七月から更新すっぽかせば色んな事がありますよ。
作者も『ぬらりひょんの孫』にハマりますよ。
『劇場版銀魂新訳紅桜篇』のDVDの予約くらいしますよ。
視力だって悪くなりますよ。
ホントにもう、色々あって大変でした。
それではあとがきもここまでにして、皆様、また会う日までさようなら。