死神たちの夕べ
………。
屍と呼ばれる存在が、アリアと融流のペアに倒されました。
ランクは参の上。
ふたりは全力を出さないまま、約1分で片付けました。
「よし、帰るぞ」
「うん」
塵と化した屍にしばし黙とうし、アリアと融流は死神の世界へ帰って行きました。
そして、次なる仕事が待っていたのです。
「や~め~ろ~や~!!」
十二班隊の部屋から、そんな悲鳴が聞こえてきました。
「ラミエルくん、落ち着い…」
ドォン! パリン! ガシャン!
「ひどいよォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!」
輝の哀しげな叫びまで聞こえてきました。
ふたりは急いで部屋に乗り込みます。
バァン!
「「たのもォー!」」
「うわあ~ん!融流くん!アリアちゃ~ん!」
「輝!どうした?」
「ラミエルくんが脱そうしたァァァ」
椅子に縛りつけられたかわいそうな輝が、涙目で訴えました。
ちょっとした静寂がありました。
「あんの野郎ォ」
怒りの声を発し、融流はダッシュで隊長を捕まえに行きました。
アリアは輝を解放し、輝と一緒にバ…隊長を捕まえに行きました。
十二班隊のラミエル隊長は、田園の水場にて発見。即刻ボコボコにされました。
「こんのバカァァァァ!貴様はホントっ駄目だわ!バカだわ!」
ごっ ごっ バキッ ゴン
「ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!ごめんなさい!ごめんなさい!」
「やかましい!」
べちっ
「痛い!痛いよ融流…ぐはっ!アレ?ちょ…入った?スイッチ入った?ぶはぁ!」
NOooooooooooooooooooooooooooooo
「おら、さっさと書類を片付けろ。コラ」
殺気を放つ融流が言いました。
「融流、知ってる?」
「何を?」
「美形が怒ると迫力があるってこと」
「そうなのか。じゃあ、アリア」
「む?」
「大人になってくれ」
融流はアリアを理解していました。
「違う違う。そーゆー意味じゃない。ってかお前は自分の美貌に自身持てって」
「あ?ワケの分からない事言ってないで早く書類を片付けろ」
融流の殺気がまた濃くなりました。
これぞ死神日本国部隊十二班隊が誇る名物、『部下の方がしっかりしてるの図』であります。
「何でウチの隊長はこんなにお仕事が遅いのかな」
「あ、時間切れ。またお給金が減った」
アリアと輝は、先日置かれたばかりのソファの上でボヤきました。
みんなは宿題はちゃんと済ませよう。
隊長みたいになっちゃうゾ♡