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夜が明けて

アクアの唄三番から始まります。

♪時が流れ冬が来る

 過ぎ行くのは北風

 春の風待つ間 冷たい雪の下で眠ろう






夜が明けて、グイルは起きました。

爽やかな朝の風が入ってきて、カーテンを揺らします。

窓を閉めていなかったようです。



「夢だよな。ただの…夢」



「白い、雲が、流れる、空を、鳥が、飛ぶ」

野に咲き誇る花々の隙間蝶が舞い飛ぶ

地面にさらさらっと書きました。

「ふん」

バカバカしいと思ったので、さあ消そうとした時でした。

「グイル」

「!」

ロンドが歩み寄って来ました。

「ロンド先生!」

無邪気な表情を見せたグイルは、たたたっと駆け寄ります。


「グイルが難しそうにしてたので、気になって来てみました」

「難しい?俺が?」

問い返すと、ロンドは笑顔で頷きました。

「どうかしたんですか?」

グイルは「これ」と地面を見せました。

ロンドは絶句しました。


岩にふたりで座ります。

「この歌は、アクアという女性が作ったものです」

ロンドの表情は、長い髪に隠れて見えません。

「グイル、どこでこの歌を?」

「ゆ、夢」

戸惑いながらグイルが答えると、ロンドは不思議そうに「そうですか」と返しました。


そよ風が心地いいです。

「その女のヒトは?」

「亡くなりました。

 グイル、貴方の両親が亡くなった日の昼下がりに」




「白い雲が流れる 空を鳥が飛ぶ」

「野に咲き誇る 花々の隙間 蝶が舞い飛ぶ」

「「春の訪れを告げる風 そっと恋を運ぶのだろう

  雪の下から春が目覚め 新しい命が咲く」」


アリアとアリアにそっくりな、黒い翼の女の子が歌っています。


「上手だよ、影」

母様かあさまの唄、好き。もっと歌おう、アリア」


また歌い始めたふたりの足元で、竜王は寝ながら聴いていました。




「アクアは友達でした。そして、友達の奥さんでした」

ロンドの金色の双眸は、寂しそうな光を帯びています。

「歌は、娘に引き継がれました」

「娘?」

「はい。アリアという名です」

グイルはビクッと反応しました。

「いつか紹介しますね」

笑顔でそう言ったロンドは、グイルの頭を撫でました。


グイルはロンドが好きなので、されるがままに揺れていました。


魔法界も住人も嫌いだけど、ロンドのことは大好きです。

では、夢に見たアリアはどうでしょう。


感じた事のない感情がグイルの中にありました。






♪雪の溶ける涼しげな

 音は夜を超え 時を越え

 恋文となり貴方の元へ きっと 届くのだろう


~♪

しまったァ。

同時進行の方のリュウとマナが進んでいなくて、下書きがパンパンだァ。

どうしよう…。


そんな事を思いつつ、ひかりは五月の聖母月を走り抜けます。


六月に入れば試験、Dグレイマンの新刊発売がやって来ます。


そういえば普天間基地の問題は何とかならないのでしょうか。

さっきから…三日前からうるせーよ飛行機が。

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