滝つぼの国のエルフ王
現滝つぼの王はアリアが父ラミエルの弟君。
アリアの叔父さま。
超絶美しい新キャラ、また来ました。
ロンドが帰った翌日、アリア滝つぼの国の王の居城に帰っていました。
城は、高い丘に建っていて、美しい白を基調として青をアクセントに使ったファンタジックな外見をしています。
バックの滝とは、物の見事にマッチしています。
そんな城の姫の部屋で、アリアはいつも通りの時間に目覚めました。
起きてすぐに白と花色のドレスに着替え、朝ごはんに向かいます。
朝ごはんはバルコニーでいただきます。
バルコニーでは既に、王が純白のクッションの上で待っていました。
アリアの父ラミエルのふわサラな髪質とは違うサラサラな長い銀髪のエルフです。
ラミエルの弟で、アリアの叔父です。
「おはよう。兄様」
「おはよ」
兄様と呼ばれた王は、可愛い姪っ子に笑顔を向けました。
「おはようございます、姫様。王」
ルカもやってきて、後ろから兵らしきエルフも走ってきました。
「おはようございます陛下!姫様!」
「ああ。用件は?」
王は言伝係に尋ねます。
「はっ!滝つぼの王エレミヤ陛下に使者が参っております!」
彼は敬礼しながら叫びました。
「使者?」
「滝つぼの王女アリア姫もご一緒にとの事です!」
朝っぱらから変な感じになりました。
「アリアも?大方求婚か何かだろ。俺の姪は同盟の道具じゃない。帰せ」
「かしこまりました!」
エレミヤの言葉に、嬉しそうな顔で返事をした言伝係によって、使者は本当に帰されました。
ルカは少々驚いています。
「エレミヤ王、小国ながら一国の王が、使者を追い返されてよろしいのですか?」
エレミヤは紅茶を飲みながら手で「いい」と言い、アリアが
「兄様はいつもこんな感じよ」
と言いました。
「用は飯時に来るなと言う事だ」
「そうなんですか?」
エレミヤという王は適当で真剣らしく、仕事はちゃんとこなし、あとは姪と遊んでいる、というライフスタイルを狂いなくこなしています。
遊びの内容は弓矢の練習。
「俺も兄上とやったものよ」
「私も父様とやった」
「さんにんで…やりたかったな」
「ん…」
ちょっと暗くなりました。
アリア姫にはお勉強タイムがありますが、それはすぐに終わります。
なぜならアリアは、呪術を完璧にこなし、呪文、薬草の調合、魔法陣やらその他も一発で覚えるからです。
余った時間は、剣術のお稽古に使います。
いつもはルカとやりますが、今日はエレミヤが相手をしてくれることになりました。
木製の剣がぶつかり合い、乾いた音が広場に響きます。
王と姫が近寄ったり遠のいたりを繰り返します。
エレミヤの剣がアリアの腹部に当たりそうになりました。
横に引いて回避行動をとるのが普通で、エレミヤはそれを狙っていました。
が、アリアはそうしませんでした。
剣を水平に前へ突き出し、守るのではなく攻めたのです。
思ってもみなかった衝撃で、エレミヤの剣ははじかれ、アリアの剣はそのまま、少し威力を弱めてエレミヤに当たりました。
真剣でやっていたら、間違いなく死んでいた、心臓に近い位置でした。
「お・・・」
アリアの勝ちです。
「わーい!」
さっきまでのあれそれが嘘のように、アリアがはしゃぎます。
「あ~。やっぱり兄上の娘だな。そっくりだ」
エレミヤが嬉しそうにボヤきました。
夕食は上品な部屋でいただきます。
丸いテーブルでの食事です。
勿論イスはありません。クッションが椅子です。
本日のメニューは、鳥の丸焼きにポテトのサラダに野草の麺(パスタ的なもの)にコーンスープです。
国民と大体同じメニューです。これが滝つぼの国のエルフです。
アリアはブドウジュースを幸せそうにおかわりしていました。
城ではルカは一緒には食べません。
楽しい夕食が終わり、アリアが水と遊びます。
魔力不使用で水面を行ったり来たり、潜ったり浮いたりしています。
たまには風につかまって飛んでみたり、重力に逆らって浮いてみたり、魔力無しでやってのけます。
日が沈んだので、アリアは誰より先に就寝します。
星がキラキラと輝いていました。
本日はエレミヤ王をご紹介させていただきました。
次も新キャラ出てくるんじゃないかな。多分。