未来の戦からの闇
国は戦場だったんだよ・・・・。
黒い空を 鉄の鳥が飛んでいる
鉄の鳥は大地へ向けて鉄を落とす
大地がえぐれ 海の上の世界が震えた
南の島は地獄と化した
炎が降って 地を走る
人は嘆き逃げ惑う
暗い闇の奥深く
灯りの無い穴の中
兵は後ろに 民は前に
敵国の兵が火を放つ
民は死んで 兵は生きた
偽りを暗示された民は皆 鉄の珠を手渡された
敵国の兵がやって来た
救いの手を闇へと伸ばす
闇の中から炎が生まれた
民は鉄の珠を地へ
闇の中で民は死んだ
暗い窟の底で死んでいった
偽りの神が玉座に君臨する
国は主に治められ
国は主と兵と敵国によって壊れていく
敵国の兵が死んだ
国の兵が死んだ
民が殺された
兵隊の墓石が建っている
兵隊の馬の墓石が建っている
南の島の民の墓石は何処?
南の島で南の島の民は死んだ
南の島は戦場だった
南の島の大地には戦火が残る
火を咲かせなかった鉄の種
地に眠り泣く民がある
鉄の鳥は轟音の鳴き声を上げ蒼穹を飛ぶ
大地が震え 土地が消えた
人は嘆き闇を知る
闇の中でもがく魂は空へ
醜い屍となり 空間の隙間へ
時間を下り死神の下へ
「ナゼ、ボクハ…」
屍の目には死神たちが映ります。
静かに見上げる死神の中に、彼は小さな天使を見ました。
「…すいません。何か…凄く見られてる…」
アリアが不思議そうに言いました。
「見てるな。直視してるな」
融流も言います。
「アリアちゃん見てるよ。超見てるよ」
輝も言います。
「……」
竜王もアリアの肩でムスッとします。
でもそんなことも、屍が動き出したので打ち切りです。
本部が超壊れています。
「ぎゃー!穴をあけるなー!」
局長の秘書が叫びますが、信長局長はどこまでもクールでダンディーに椅子に座っています。
「乱射いくぞ。死にたくなければ退け」
融流が標的をガンガン撃ちます。
乱射だから、無駄に壁に穴が生まれます。
銃器は建物に優しくないです。
おや、アリアの刃も壁に刺さりました。
スピアもそんなに優しくないですね。
続いて輝が電撃発射!
屍と壁にクリティカルヒットします。
武器に優しいなんて無いですね。
コイツら絶対に壁を壊します。
恨みでもあるのか?
「ぎゃー!壁がー!ヤメテー!」
秘書はカメラの映像に失神寸前です。
でも信長さんはあくまでダンディーに
「流石は十二班隊の隊長格と魔術長。やってくれる」
と呟きました。
葉巻を吸って、足を組み、ダンディーなポーズ。
屍は結構しつこく、なかなか倒れません。
「本気になります」と誓ったラミエル隊長と他の班も加わりますが、倒れません。
「今回はかなり手強いな。どこから来たんだ」
隊長の呟きを聞いたアリアは、肩にいる竜王に目で問いかけました。
「死神の世界は時空の隙間に在る。だから屍とやらが何処から、何時の時代からココへ来たのかはわからんらしい」
竜王は答えてくれました。
「過去からか、未来からか、現在からか、屍はこの世界に救いを求めやって来る」
「魔力のある世界か、魔力の無い世界か、どこか別の世界かもわからない」
融流と輝に教えてもらったことをアリアは思い出しました。
『眠れないのか?』
ラミエルはラミエルでも、隊長より超綺麗で頭イイエルフが言いました。
「うん。どうしたらいいの?父様」
ちっさいアリアはラミエルに尋ねました。
『簡単だよ。目を閉じてろ』
「さっきからやってたよぅ」
アリアがむうっと言い返します。
するとラミエルは優しく笑い、小さなアリアをベッドに入れます。
窓を開けると、ラミエルはアリアに言いました。
『世界と妖精の歌う夜の歌を聴いてみろ。木々の揺らぎ、川の流れ、水面の歌を聴いていろ』
「うた?」
ラミエルは『そう』と言いました。
そして、黄金色とも白銀色とも見える月を見上げ、アリアに言います。
『月が歌っている』
どうすか?この明暗の作風。
今回のオチはキーマンかもしれないラミエル・フェアリーくんでした。
次回、アリア歌唱。
姫に眠る力が覚醒する!!