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悪魔と姫

暗く冷たい闇の気を、ひとりの悪魔が感じました。

悪魔はそっと、闇の下へと近づきます。

闇を知った存在を、本当の闇に堕とすために。

漆黒の瞳がとらえたのは、静かに嘆く女の子。

そして彼は、少女に言います。

「はじめまして。俺はルカと申します」

少女を包む闇が薄まって、少女はルカと名乗った悪魔をみあげます。

ルカは親しげにニッコリ笑って、

「かわいそうに。大切な方を亡くしてしまったんですね」

といいました。

少女はフルフルと首を横に振って、違うことを表現します。

「すると?」

「私はアリア。今亡くなったのは私の父で、私が殺した」

ルカは、アリアと名乗った少女の言葉に驚きました。

(父親を殺害?しかしこの悲しみは、愛する者を失った悲しみ)

ふと見ると、元は天使であった女性が死んでいます。

ルカの見ているものに気がついたアリアは、

「あれは母様。私はさっきまでは天使の母とエルフの父から生まれた混血なの」

なっとく。

ルカはさっきから、アリアに魔法とは違う別の気を感じていたのですが、なるほど。天使の気だったんですね。

ルカはアリアがひっついているこれまた美形の父親らしき者を見て、余計に「は?」となりました。

アリアはさっき、「父は私が殺した」的なことを言っていました。

(だったら何ですかこれ。何故離れない。ふつうは・・・)

まさか。

「貴女はもしや、殺してさしあげたのですか?」

アリアはビクッと震えて、さらに父親(の死体)に抱きつきます。

(このアリアという少女は、父親を殺されるのがたまらなく嫌だった。だからやられる前に殺したんでしょう。解毒不可能の毒が彼の体内に存在していることこそその証拠)

「私は」

ふいにアリアが言いました。

「私は、死神の刃を使ったの」

死神の刃。死神という魂の生死をつかさどる種族にしかあつかえない刃物。

「ふつうのもので切ると、ちゃんとあるなってわかるの」

(肉体がですね)

「でも、あの刃は、鎖を斬ったよ。魂と身体をつなぐ、生命線を」

ルカは、アリアがどれほどの恐怖を、闇を知ったのかをさとりました。

「ルカは、悪魔でしょう」

「気づいていましたか」

当り前か。

「契約をして」

「はい。そのために来ました」

ルカは決めました。アリアという少女の傍にいることを。

「血の契約を」

「はい。代価は、俺が消えるまで貴女の傍におくこと」

アリアは体内に悪魔の血を入れ、ルカを支配することになりました。

「アリア様、貴女は誰ですか?」

「私は、魔法界・エルフの滝つぼの国の第一王位継承者、アリア・セシリア・フェアリーだよ」

アリアはお姫様でした。

「では姫様、すべきことを・・・」

ルカがアリアをみると、アリアは気絶したのかと思うほどすばやくパタリと、

「zzz」

眠りました。

どうやら安心したようです。

「信用するの、早すぎません」

そしてルカは、この姫には本当に自分が必要だと悟ったのです。

(主は、かなりの天然ボケだ)


そこは魔法界。

魔力と魔獣、神話の生物の住まう世界。

そこにひとりの少女が在った。

その傍らには漆黒の供と純白の獣が在った。

これは、実はかなり昔の話。

天然美少女アリアと、彼女に仕える悪魔ルカと、愉快な仲間たちの切なくおバカな物語。



はじめましてひかりです。

好きな声優は石田彰さま。尊敬する人は漫画家の空知英秋さまと、小説家の時雨沢恵一さま。

頑張ってコレ書いてたらお父さんとお母さんに怒られた。

不束者ですが、なにとぞよろしくお願いいたします。

ほしぞらひかりでございました。

PS

登場キャラのビジュアル描写は次回からはじまります。こうご期待!

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