44話
夜が明け、朝日が登ってきた頃、俺は目が覚める。
結構、夜が明けてもノラは俺にしがみついて離れなかった。
…はぁ、動いたら起こしちゃうしな…どうしよ。
「ルイおはよう。…その子まだしがみついるね…ルイが気に入ったのかな?」
あ、セリアはもう起きていたようだ。
『助けて。』
俺はセリアを見つめながらSOSを送る。
その時、ノラが身動ぎを始める。
そしてとうとうベットから身を起こす。
「そろそろ朝ごはん食べに行こっかって、ノラにはどうやって伝えようかな…」
セリアはいつも通り、宿で朝食を摂ろうとするが、ノラにどう伝えればいいか戸惑っているみたいだ。
『俺、いける』
「…どういうこと?」
俺の端的すぎる言葉に疑問を抱くセリア。
『念話で。』
「つまり、念話でノラに伝えられるってこと?」
セリアは俺の言葉を訳してくれる。
そうそう!
俺は首を縦にふる。
「…なんかルイってなんでも出来るね…」
少し、呆れの目を俺に向けながらも感心するセリア。
そのセリアを横に置いとき、置いてけぼりになっているノラに念話を使って話しかける。
『飯、食う?』
その問いかけにノラは首を傾げる。
その様子は自分が食べていいの?という雰囲気だった。
その傾げた首のノラに俺は首を縦に振り、肯定を示す事で対抗した。
宿屋の食堂に移動した俺達は、いつもの席に座り、朝食を摂り始めた。
目の前でご飯を食べるノラは先程のしおらしい態度とは打って変わって、遠慮なくガツガツと朝食を食べていた。
余程お腹が空いていたみたいだ。
「そういえばこれからギルドで依頼を受けるんだけど…ノラちゃんは戦えるのかな?」
セリアは朝食を摂りながら、これからの事を考えて疑問を投げかける。
俺が鑑定でステータスを確認したら戦えるっぽかったけど、聞いてみるか。
『ノラ』
俺が念話で呼ぶと食べている手を止めてこちらを向く。
『戦えるの?』
そう疑問をぶつけると、おもむろに席を立ち、腕を捲る。
そしてこちらを向いて視線を合わせてくる。
…?見ててってことか?
俺もセリアも手を止めて席を立ったノラを見ている。
その瞬間、ノラの腕を捲った右手が人の手から白い獣の手に変わる。
お、おお!なんかわからんけど凄い事は分かる。
これで魔物相手にも戦えるってことか!
「す、凄いです!それで戦うってことは近接なのかな?」
セリアはその変貌した右手を見て冷静に分析する。
ノラは既にその右手を人の手に戻し、ご飯を食べ始めていた。
見た感じノーコストで使えるのかな?
気兼ねなく使っている感じがするのでそう予想する。
「…じゃあそろそろ行こうか。皆食べ終わったみたいだし。」
そういい、席を立つセリア
ノラの皿を見ると既に空になっていた。
…そうだな。俺もそう思い、移動しようとするが急に抱き抱えられる。
…ん?なんだ急に。
抱き抱えられた方を見るとノラが俺を抱えていた。
どうやらこのまま移動したいみたいだ。
「…ふふ、何だかぬいぐるみみたいだね。」
セリアは少し微笑みながらそう言う。
…まぁいいか。俺も楽だし。
結局抱き抱えられたままギルドまで移動することになった。




