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37話

柔らかな草が敷き詰められている草原に一凪の風が俺たちを撫でる。


「見つけました。まだ精度が甘いのでスライムじゃないかもですけど…」

その穏やかな時間にセリアが声をあげる。


なんとセリアは幾つ物戦闘を重ねて新しい魔法を使えるようになったのだ。その魔法とは広範囲の索敵魔法<風響>という便利な魔法だ。


俺の読みでは恐らく風魔法のレベルが上がったのではないかと推測する。


そんな思考を重ねているとセリア達が標的に向かって歩き出す。

大体3分ぐらい歩いていると少し先に不格好な粘液体が地面を這っていた。


__________________

名前:

種族:スライム

レベル:15

HP:35/35

MP:15/15

筋力:24

俊敏:16

耐久:32

器用:25

魔力:10

___________________

結構強いな。特に耐久面に関して優れている。


スライムはポヨンと飛び跳ねて俺達の方に近づいてくる。

その姿は何処と無く可愛らしい。


「確かスライムって物理攻撃無効なんだっけ?」

ジルクが思い出すように呟く。


物理攻撃無効だと!?チートじゃねぇか。


「じゃあ、魔法なら効くんですよね?」

セリアがそう呟き、集中して風刃をスライムに叩き込む。


その風刃によってスライムは一撃で弾け飛ぶ。


…なるほどな。物理攻撃が無敵な分魔法攻撃にはめっぽう弱いのか。


「…これ魔石残ってますかね…」

セリアは魔法の効き目より魔石というお金の心配をする。流石だ。


「一応魔石は残ってるみたいだよ。」

ジルクはスライムがいた場所にまで歩き、地面に落ちていた青い魔石をつまみ上げる。


「良かった…ならこのまま狩り尽くしますね!」

そう言ってセリアは意気揚々と風響を使ってサーチアンドデストロイを繰り返していた。


その間俺とジルクは戦力外なので魔石を拾ったりとこの手持ち無沙汰感を誤魔化していた。


5匹目のスライムを倒し、またしてもセリアが魔法を使おうとした時、普通のスライムとは色が違い、銀色のスライムが茂みから飛び出してきた。


__________________

名前:

種族:メタルスライム

レベル:11

HP:15/15

MP:0/0

筋力:1

俊敏:95

耐久:999

器用:1

魔力:0

___________________

!?メタル…スライム…だと。


「あれは!メタルスライム!?セリアちゃんあいつには魔法攻撃も物理攻撃もほぼ効かないから気をつけて!」

ジルクが警戒を促す。


「え!じゃあどうすればいいんですか!?」


「それは…とにかく殴るしかないね!」

焦るセリアに何とも頭の悪い解決法を提示するジルク。


…まずこんな高い耐久に攻撃が通るのか?

まぁやってみるしかないか、耐久と俊敏以外は可哀想な数値だし。


そうして俺達の地獄が始まった。


このメタルスライムまるで攻撃が通じない。本当に稀に1ダメージが通るくらいである。


漸くメタルスライムのHPが残り1になったその時、急に方向転換させて逃げ出す。


…あ!こいつピンチになったら逃げんのかよ!


「逃がさない!」

ジルクはそう言い放ち手に持っている真紅の名槍を投擲し、メタルスライムの身体にぶつかる。

その投擲は化け物みたいた耐久によって貫きはしなかったが、運良く1ダメージを与えてメタルスライムを倒し切った。

倒した跡には白銀の液体と魔石が落ちていた。



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