32話
俺達が起きた後、ギルドに向かうと職員が出迎えて、応接室に案内してくれた。
なんでも、今回のミスについて謝礼をさせて欲しいとの事らしい。
そうしてジルク以外の俺とセリアでギルド内部に併設してある応接室に向かった。
「本当に申し訳ない!」
少し頭部が寂しいおっさんが高そうな机に布袋を乗せて謝る。
このおっさんはこの辺境の街カウルのサブギルドマスターらしいが…こんな簡単に頭を下げていいのか?
セリアは震える手で机の上に乗ったお金がぎっしりと入った布袋を受け取る。
「いや、あのほんとに大丈夫ですので…」
セリアは頭を下げているおっさんに焦り倒しているが、布袋をちゃっかりと貰っている辺りしたたかである。
「謝るだけでは足りない問題を起こしたと自覚している、だからこれでどうか勘弁してくれ!」
そう言ってまたもう1個のお金がぎっしりと入っている布袋を机に乗せる。
「い、いやだからもう大丈夫ですって!」
セリアはさすがにもう1個は受け取れないのか慌てて返そうとする。
「まだ足りぬか…ならばこれで…どうか、どうか勘弁してくれ!」
またしてももう1個の布袋を机に乗せて頭を下げ続ける。
このおっさんまじで話聞こえてないんのか…?
「ちょ、ちょっとサブギルドマスターそこら辺にしといてください!セリアさんも許してくださるようですし。」
この応接室に控えていた秘書っぽい女性が慌てておっさんの暴走を止める。
「そ、そうか許してくれるか…本当にありがとう!!」
ようやく人の話を聴けるようになったのか、暴走を止める。
「そ、それで私達の銅級昇格試験はどうなったんですか?」
「それはもちろん昇格に決まっているじゃないか!」
おっさんは勢い良く立ち上がり、昇格の事を伝える。
「よ、良かった…」
その事を聞いて露骨に安心するセリア。
さすがにこれで昇格試験取り消しってなったら俺も萎えてたかもしれないな。
「で、では私はこれで…」
そう言って早々に応接室から退散しようとするセリア。
「あ、ちょっと待って…1つ聞きたいことがあるんだけど、大丈夫そう?」
部屋から退散しようするセリアに聞く。
「?はい、大丈夫ですよ。」
「…その生き物は君にとって何者だ?」
その目は先程とは打って変わって鋭い目付きで俺の事を見ていた。
「…私の相棒…です。」
少しの間一考してからそう答える。
「…そうか、引き止めてすまない。もう大丈夫だ。」
その返答を聞いて納得したのか、していないのかは分からないがもう大丈夫とセリアの方を見ながら言う。
「…失礼しました。」
少し不思議そうな顔をしながら応接室の扉から出る。
階段を下りギルドのエントランスホールに向かうとジルクの他に2人の人影があった。
「…あれ?キクちゃんとサバナさんだ。」
そう、ジルクと一緒にいたのは昇格試験でパーティだったサバナと菊であった。
「「…ごめんなさい!」」
俺達を見るや否や頭を直角に下げて謝る。
「…え?ちょ、ちょっと頭上げてよ!もう大丈夫だって。」
さすがに急に頭を下げられたのにビックリしたのか慌てて言う。
「それでも!見捨てたことには変わらないから…」
「私も…見捨てた。」
サバナと菊は揃って頭を下げたままそんな事を口にする。
「…じゃあ、1つお願いしたいんだけど…いい?」
「…うん。」
セリアからの唐突なお願いに少し戸惑いながらも首を縦にふる。
「私達も銅級に昇格したでしょ?…だからさお祝いの祝賀会…やらない?」




