21話
「そういえばさ、ルイくんって綺麗だよね。なにかしているのかい?」
森の中を移動しているとジルクが聞いてくる。
「一応寝る前にお湯で濡らした布で拭いたりしてますよ。」
そう、俺は寝る前に綺麗にさせてもらっているのだ。俺だけじゃ出来ないからセリアに手伝ってもらっている。セリアは拭き方が丁寧だから凄い気持ちいい。
「うーん…それだけじゃこんな綺麗にならない気が…ってセリアちゃん気づいている?」
うん?何に気づいたんだ?
「はい…そろそろ来ますね。」
ガサガサと茂みの中から2体のゴブリンが姿を現す。
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名前:
種族:ゴブリン
レベル:4
HP:18/19
MP:5/5
筋力:15
俊敏:9
耐久:8
器用:12
魔力:4
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以前倒した事があるゴブリンが2体で出てきた。
「1体は僕がやるから、もう1体はルイくんとセリアちゃんで頼むよ!」
合点承知!俺とセリアは顔を見合わせて頷く。
そうだ!少し実験してみたい事があったんだ。
身体強化魔法を纏う。…ここから体に纏っている魔力を足に集中させてみる。
一応、少し不格好だが集中させることが出来た。
ただ…これ纏い続けるのが想像以上に難しい…
もういいや!このままいっちまえ!
不格好な魔力を纏ったままゴブリンに向かって走る。だが予想以上の加速に向かおうとしていた地点より大きくズレてゴブリンの目の前まで行ってしまう。
あ…やべっ
ゴブリンも一瞬驚いていたが、冷静に手に持っている棍棒で俺を殴ろうとしてくる。
その牙が俺に当たる前に風球がゴブリンの側頭部に当たり、衝撃で転がされる。
「な、何してるの!ルイ一旦退いて!」
はい…すいません…
俺はセリアの一喝を聞いて素直に下がる。
ゴブリンはセリアの風球によって軽い脳震盪を起こしているのかまだ起き上がらない。
そのままセリアの風刃が仰向けになったまま起き上がらないゴブリンの腹に向かって飛来していく。
そのまま腹を切り裂かれてゴブリンのHPを削りきる。
「ルイ大丈夫?怪我してないよね?」
俺のミスによって危険な目を合ったのに心配をしてくる。
うっ叱られるより心配される方が心が痛い…
「良かった、ルイが色々考えてるのは分かるけど…あまり無理しちゃダメだよ。」
俺の体をチェックして怪我がないのを確認したのか俺に諭すように優しい声色で言ってくる。
はい。…30歳越えなのに14歳ぐらいの少女に諭されるなんて…
「ふぅ…セリアちゃん達、怪我ないかい?」
ジルクもゴブリンを倒したのかこちらに来る。
「はい!大丈夫ですよ。」
「それなら良かった…そうだ薬草の方は大丈夫かい?」
「はい!ルイが前で引き付けてくれたので薬草に傷は出来ていない筈です。」
セリアは俺が失敗した事をジルクに話さないでくれた。その優しさが心に染みる…
「それじゃあゴブリンの魔石を剥ぎ取ったら帰ろうか。」
「そうですね!」
そう言ってセリア達はゴブリンの魔石をはぎ取るために解体用のナイフを取り出した。
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「今日はお疲れ様!正式にパーティを組んでから初めての戦闘だったけど、どうだった?」
ジルクが激励の言葉をセリアにかける。
「お疲れ様です。やっぱりジルク先輩が居ると安定感が増して、戦いやすかったです。」
確かにジルクが居るだけで数的有利を作り出せたから俺が失敗しても致命的な失敗にはならなかったから本当に助かった。
「ははっそれは良かったよ。」
ジルクはその言葉を聞いて少し嬉しそうに頬を緩ませていた。
少し歩いていると何やら生魚の独特な匂い鼻腔をつく。
「おっ!ここの店最近新しくオープンしたらしいよ。入ってみない?僕の奢りでいいからさ。」
え、まじ?太っ腹だなぁ!
「えっそんな申し訳ないですよ。前回も奢ってくれたのに…」
確かにそういえば前回もジルクに奢ってもらっていたな。
「大丈夫だって、それに今朝ルイくんに悪戯して怒らせちゃったからそのお詫びを兼ねてね。」
今朝…あの串焼きのことか!あれわざとやってたのかよ!
店内に入ると華美な装飾しておらずシンプルなデザインの配置をしていた。
「いらっしゃいませ!2名様でよろしいでしょうか?」
「いや、この子も含めて3名で。」
ジルクが俺のことを見て訂正をしてくれる。
「は、はいかしこまりました!こちらにどうぞ。」
店員は俺の事を見て少し驚いていたが、すぐ席にまで案内してくれる。
「当店では今巷で人気の寿司がイチオシですが…いかがなさいますか?」
寿司!?何でこの世界にあるんだ?
「じゃあ…それを3人前お願いします。」
ジルクは店員の寿司押しに負けて注文する。
「かしこました!少々お待ちください。」
この世界にも寿司はあるのか…自然にできたものなのか…それとも俺以外に転生者がいて、寿司をのこの世界に広めたのか…謎は深まるばかりだ…
「お待たせしました!寿司3人前です!」
俺がこの世界の転生者について考えていると店員が寿司を運んできてくれる。
「ありがとうございます!」
セリアはきちんと店員にお礼を言う。
目の前出された寿司は俺が思っていた色と違うものが多かった。
え?身が黄色い魚?そんなんいるの?
まぁ物は試しって言うし…食ってみるか。
…マグロだ、噛めば噛むほどマグロだ…じゃあこの青い寿司は…若干ハマチに似ている味がする。なんだこれ、俺の中の固定観念が壊されていく…
こうして久しぶりの寿司?料理を堪能した。




