18話
「い、今の!セリアちゃんがやったのかい?」
ゴブリンソルジャーの首を跳ねたジルクはこちらに走ってきてその小さい体をセリアにズイっと近づける。
「いえ、多分ですけど…ルイがやったのかと。」
セリアも確信はないが何となく…という雰囲気であった。
「そ、そうなのかい!?」
今度は俺の方に顔をズイっと近づける。
顔近っ!いやまぁそうだけど…
「す、凄いよ!犬が魔法を使えるなんて!」
そう言って俺の事をべた褒めしてくる。
わしゃわしゃとジルクに撫でられながら周りを見てみると、ゴブリン達は大方討伐隊の面々に倒されているようで、コボルトキングとオルガの戦いを見ている。
加勢しないのか、と思うかもしれないが戦いのレベルが高すぎて同じパーティのハレナぐらいしか加勢出来ないのだ。
その戦いももうすぐ終わりそうだ。
<#麻痺__パラライズ__#>
ハレナがそう唱えるとコボルトキングの動きが一瞬硬直する。
「ありがとう、ハレナ!」
その言葉を置き去りにするように加速し、コボルトキングの目を切り裂く。
突如として視界を失ったコボルトキングは闇雲に腕を振り回す。物凄い風圧を伴いながら振る剛腕をオルガは冷静に避け続ける。
「ハレナいつもの頼む!」
オルガは攻撃を避け切った後の合間を縫うようにハレナに何かを頼む。
「しょうがないわね!ほら<#迅雷纏__じんらいてん__#>」
そう唱えると、オルガの体に紫電がバチバチと纏わりつく。
落雷が落ちたような雷光が迸り、オルガは一直線にコボルトキングに疾走していく。
その勢いのまま首に一閃を浴びせ、コボルトキングの首を跳ね飛ばす。
「おおおぉぉ!」
その戦いを見届けた討伐隊のメンバーが勝鬨の声をあげる。その声に釣られるように他のメンバーも勝鬨の声をあげる。
す、すげぇ…最後の一撃はスピードが速すぎてほぼ見えなかった。
ジルクも先程の戦いには痺れたのか、キラキラとした目をオルガ達に向けている。
ふぅ…戦いも終わったことだしそろそろステータス確認するか!レベル上がってそうだから楽しみだ。
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名前:ルイ
種族:イッヌ
レベル:9
HP:25/26
MP:19/29
筋力:26
俊敏:24
耐久:19
器用:19
魔力:180
<スキル>
鑑定:2 魔力操作:2 身体強化魔法:2
治癒魔法:2
善行ポイント685
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よし!やっぱりレベルアップしていた。善行ポイントもカマセルを助けたり魔物を倒したので大分溜まってきた。
…やっぱり身体強化魔法を自分以外に使うのはMPを沢山使うのか、使った時に倦怠感を感じたから何となく分かっていた。
そういえばジルクと一緒に居たが、セリアはどこに行ったのだろう?
辺りを巡視しても見当たらない。少し歩くと
屈んでいるセリアの後ろ姿を発見する。
…何してんだ?
後ろからはあまり見えないので近づいてみる。
近づいていくと何やら聞こえてくる。
「魔石…魔石…マセキ…」
セリアはぶつぶつと自分に言い聞かせる様に魔石と呟いて俺達が倒したホブゴブリンの魔石を剥ぎ取っていた。
…見なかったことにしようか。
俺はこの日で一番のスピードかもしれない加速で逃げ帰った。




