16話
集落に殺到する冒険者から数多の色の魔法が飛び出ていく。
セリアも負けじと風刃を未だに混乱しているコボルトに当てる。さすがに1発とはいかないが、そのまま前にでた前衛達に切り殺される。
「グガァァァ!!」
大きな咆哮が集落中に響く。
!?なんだこの咆哮、体が竦んで動きが少し鈍くなる。
咆哮を発した方をみると普通のコボルトの灰色の体毛とは違く、黒いコボルトがいた。
体格もコボルトの2倍はある。
__________________
名前:
種族:コボルトキング
レベル:43
HP:89 /118
MP:43/43
筋力:89
俊敏:95
耐久:73
器用:67
魔力:38
___________________
…クソ強い。昨日見た金級冒険者であるオルガのステータスに匹敵…いやそれよりも高い数値がある。
「このコボルトキングは俺が相手する!他の敵は頼んだ!!」
そう言ってオルガがコボルトキングの前に相対する。
すげぇ、自分と同等の力を持つ敵を相手にも怯んでいる様子はない。
俺も目の前の敵に集中しよう。
目の前には以前、セリアと協力して倒したホブゴブリンがいる。ただ、ハレナの魔法によって肌に裂傷がついている。
俺も身体強化魔法を発動し、ホブゴブリンとの距離を縮めていく。
ホブゴブリンはまだ痺れが残っているのか俺の加速に反応できない。
そのまま足のふくらはぎ辺りを爪で引き裂き、痺れが回復する前に攻撃を与える。
「ルイ!」
後方から聞こえてきたセリアの声を聞いて即座に飛び退く。
背後から飛んできたセリアの風刃がホブゴブリンのHPを削りきる。
ナイスセリア!そう心の内で賞賛を送る。
改めて辺りを見ると、あちこちで戦いが始まっていた。まさに混戦だ。魔法や矢が飛び交っている。
「クソがァ!!」
イライラが含まれた罵倒が聞こえてくる。
その罵倒の元をみると、カマセルが3体のコボルトに囲まれて、殴打されていた。
カマセルの持つ武器は大きい斧みたいな物で小回りが効かないからコボルトとの相性が悪く、振り回しても当たらない。
…助けてあげるか、いけ好かない奴だが善行ポイントも貰えるし、何より人が死ぬのはあまり見たくない。
未だにカマセルを殴打しているコボルトの背後に周り、足の健を狙って爪で引き裂く。
「ッ!お前は…」
一瞬俺が急に出てきたことに驚いていたが、今は喋ってる場合じゃないと思ったのか機動力を失ったコボルト目掛けて斧を振り下ろす。その斧の重量とカマセルの力も相まって頭から粉砕していく。
「チッ…助かった。」
こいつお礼言えたのか!正直お前の助けなんて必要ねぇ!って突っぱねてくるかと思った。
「グルルル!」
コボルトは仲間が殺されたことに怒っているのか威嚇をしてくる。
「…おい犬、右のをやれ。」
苦虫を噛み潰したような顔で俺に助力を嘆願してくる。
「ワゥッ!」
…仕方ねぇ。やってやるわ!
右のコボルトは俺に狙いを定めたようで爪を伸ばして引っ掻こうとしてくる。
俺もそれに敢えて突っ込み、治癒魔法を使いながらコボルトの首に噛み付きHPを全て削りきる。
カマセルの方を見ると素手でコボルトの首根っこを掴み、地に押し付けてから斧で粉砕している様子がみえた。
戦い方も見た目に似て凶暴だな…。
とりあえずここのコボルトは殲滅し切ったので、急ぎセリアの元に向かう。




