12話
「パーティ…ですか?」
「うん。さっきの立ち話聞いてたんだけど、君魔法使えるんでしょ?僕、近距離は出来ても遠距離攻撃がないんだよね。」
また盗み聞きか、なんかこのギルド盗み聞き多くないか?
「…でも、私にはこのルイがいるので大丈夫です。」
「ルイってその犬のこと?」
「はい。なのでお断りさせてもらいます。」
「えーお願い!この討伐隊に入ってる間だけでもお試しだと思って!!」
その小さな可愛らしい体を巧みに活かして上目遣いをするジルク。
ただその上目遣いはセリアには聞かなかったのか、困ったような視線をこちらに向ける。
まぁいいんじゃないか?前衛が多ければ多いほどセリアの安全性は高まるんだし。
俺は小さく頷く。
「…じゃあ討伐隊の間お試しでお願いします!」
「やったぁ!じゃあ、早速自己紹介も兼ねてご飯食べに行かないかい?もちろん僕の奢りで」
俺達は一も二もなく頷く。
俺達の了承を確認するとズンズン先導していく。
その姿は本当に子供みたいで微笑ましい。
「僕はジルク、小人族なんだ。冒険者歴は3年で結構ベテランな方だと思うよ。」
飲食店の席につくと、早速自己紹介を始める。
「私は…エルフ族のセリア、冒険者歴は2ヶ月です。こちらは従魔のルイです。」
俺を抱き上げて紹介する。
「えっ…この子、犬だよね?従魔契約なんて出来たの?」
明らかに動揺したような顔を見せながら聞いてくる。
「はい…理由は分かりませんが出来ました。」
「んー謎だなぁ…まぁいいや。セリアちゃんは魔法以外になにか使えたりする?」
「風魔法以外は少しだけ短剣を扱えますよ。」
腰から短剣を抜き出しジルクにみせる。
「なるほど。偉いね。普通、魔法使いは魔法が使えるからって近距離は他の人に任せることが多いから、その点セリアちゃんは凄いよ。」
ジルクは感心したような仕草と顔をみせる。
「はは…ソロだとやらないといけないことが沢山あっただけですよ…」
少し陰の雰囲気を醸し出すセリア。多分ソロの時は色々と苦労したんだろう。
「そ、そうなんだ。ちなみに僕は槍を扱えるよ!」
この暗い雰囲気を断ち切ろうと、どこからともなく現れた赤い布で覆われている槍を見せてくる。
布の合間から見える紅い穂先は鈍い光を放っていた。
おお!何となく業物感がすごい!
__________________
真紅の名槍
ある名工が造り上げた業物。穂先は紅玉石を使っており、柄の部分はミスリルが使わている。使用者の身体能力を大幅に上昇させる効果を持つ。
___________________
つっよ。なんでこんな業物を持ってるんだよ
「えっとその槍どこから出したんですか?」
セリアはどこからともなく槍が出てきたのを不思議に思ったのかジルクに疑問をぶつける。
「あぁ僕はこのマジックポーチがあるから、嵩張るものはこの中に入れているんだ。」
そう言って腰にさげているポーチを軽く叩く。
もう大体分かった。こいつ絶対ボンボンだ。
「…こんなこと聞くの失礼だと思うんですけど…ジルク先輩って実家裕福なんですか?」
俺と同じ答えにたどり着いたのか、俺の考えと同じことを聞く。
「いやぁ…別にそうでもないと思うけどな…精々街の商会を運営しているくらいだし。」
「……」
セリアは黙ってしまった。
今までの言動を鑑みて、お金に困っているようだったから無理もないか…
「お待たせしました。シチューとオーク肉のステーキです。」
気まずい空気を打ち払うかのように店員が注文した食事を持ってくる。
良かったこれで話題を変えられる。
「ほらセリアちゃんも食べな、ここのシチューとステーキは絶品なんだ。」
「そうですね…いただきます!」
食べ物が来たことで気持ちを持ち直したようで先程とは打って変わって明るい空気が漂う
ちなみに俺はオーク肉のステーキを貰った。
めっちゃ美味しかった。




