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11話

背後からは悲鳴と肉が潰れる音。振り向けば死ぬ。それだけは本能で理解出来る。


「絶対に振り向くなァ!!そのまま行けェ!!」

その声の直後肉が潰れる音と、「ァァ」という

小さな呻き声が聞こえる。

帰ってこの情報を伝えないと…絶対にアイツらの分まで!

ボチュッ

あえ?俺の腹…消え、た?

寒い、寒い、サムイ、さ、むい。

そのまま糸が切れた人形のように倒れた。

※※※※※※※※※※※※※※※※※


翌日、俺達がギルドに入ると中は騒がしく職員達が忙しなく動いていた。

どうしたんだ?


「あ!良かったセリアちゃん!」

ちょうど目の前を通りかかったジアンナが声をかけてくる。


「ジアンナさん。どうしたんですか?この騒ぎは。」

セリアが俺の疑問と同じことを聞いてくれる。

「実はね、この前セリアちゃんが報告してくれたゴブリンの件あったでしょ。」


あぁあのホブゴブリンのやつか。


「あの後偵察チームを送ったんだけど全滅しちゃって…再度送ったら森に大規模なゴブリンとコボルトの集落が出来ている事が分かったんです…」

それを語るジアンナは少し目の下に隈があるようにみえる。

「な、なるほど…だからこんな騒ぎになってるんですね。」


「それでなんだけど。セリアちゃん、風魔法使えたよね?」

尋ねるジアンナの瞳が怪しく輝く。

「は、はい。使えますよ。」


「良かったら今、討伐隊を編成してるんだけど…入ってみない?」


「えっ?でも大規模な討伐に参加できるのって銅級からじゃないんですか?」

確か…セリアは鉄級だったかな?


「本当はそうなんだけど。今回は特例でね、魔法使いの数が少ないから鉄級からも招集されるのとになったんだ。」


「なるほど…」


「しかもこの討伐に参加するだけで、何もしなくても銀貨5枚は貰えるよ!」

それを聞いた瞬間あまり乗り気ではなさそうな顔をしていたセリアが露骨に顔色を変える。


「ぎ、銀貨5枚!そんな大盤振る舞い許されるんですか!」


「ふっふっふ。それだけじゃないんですよ。セリアちゃん、銀貨5枚に加えてゴブリンを倒した数だけ上乗せされるんですよ!」


「お、おお!」


「それに、セリアちゃんは魔法使いの枠で参加するから、後ろから安全に攻撃できます。」

それをトドメにセリアの目がお金のマークになる。

これは完全にジアンナさんの口車に乗せられたな。


「や、やりたいです!」

自分の内にある欲望を抑えきれなかったのか、食い気味に答える。


「本当!?良かったぁ上の方から魔法使いを集めろってうるさくて…じゃあよろしく頼むね!」

それだけ言ってまた忙しそうに受付の奥に走っていった。


「…ごめんルイ。お金の誘惑には勝てなかったよ…」

セリアは申し訳なさそうな謝ってくる。


はぁ…しょうがない。受けてしまったものは、そう簡単には取り消せないだろう。


「ねぇねぇ。君も討伐隊に入るの?」

そう話しかけてきたのは黒髪の小さな少年だった。


「えっと…どうしたの僕?もしかしてお使いかな?」

セリアはしゃがみこんで少年と目線を合わせてから話す。


「ぼ、僕は子供じゃない!れっきとした冒険者だ!!ランクだって銅級冒険者だぞ!」

そうやって威勢を張る姿は、子供にしか見えなかった。


「え!?私よりランク高い?本当に?」

少年はムスッとした顔で懐から銅色の板を見せつける。

「ほ、本当だ。ごめんなさい!!」


「…まぁ許してやるよ。僕は心が広いからな!!」

__________________

名前:ジルク

種族:小人

レベル:15

HP:45/45

MP:15/15

筋力:25

俊敏:20

耐久:17

器用:23

魔力:12

___________________

確かに…セリアよりレベルが高い。しかも小人?読んで字のごとく小さい人って言うことかな。


「それで、僕の話を聞いてくれるかい?」


「はい。先輩!」

態度を改めたセリアは畏まった様子でジルクを先輩呼びにする。


「せ、先輩…なかなか悪くないな。おっほんそれで僕の用件なんだけど。 僕とパーティを組んでくれないかい?」


パーティ…ねぇ




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