出征先で
【ウェイルズ平野】
野営地に逗留2日。ついに作戦が決まったらしい。予想外の場所に配置される、シンプルな作戦内容だった。
「エクイテス、お前の顔、やっぱりヤベェな」
俺は装備を確認しながらエクイテスの顔を確認した。左頬に大きな青痣。こめかみの火傷跡と連続しているようにも見えるので痛々しい。
殴られてから数日経過しているから、少し黄色くなっている。目の下の隈もマシになったように見える。
「うるせえ。クリスティーナってあんなに華奢なのに、こんな痣になるくらい強いパンチって……安心だな」
「行かないって言ったのに! って怖かったな。でもその後はお熱いこって。出発までほぼ寝てねえんだろう?」
「……。違う。お前と同じで訓練して疲れて寝ていた」
「何、今の間。はあああああ⁈ 何をしてるエクイテス! お前はそういう奴じゃないだろう⁈ 毎晩クリスティーナさんのところに泊まっていたのは知ってるけど……」
エクイテスの耳は真っ赤。顔はほぼ無表情だけど丸分かり。
「黙れ。お前もだろう。お前だってアルベルティーナさんの部屋に泊まっていただろう」
「いや、俺は毎晩アルティから必死に逃げた。追い回されたり、可愛く誘惑されたり、それはもう大変だった。お前が言っていたからだ。道徳心とか信仰心とかな。神なんて微塵も信じてないけどお前が言うから」
「へえ。意外。別に絶対結婚するしいいだろ。俺は誘惑に勝てなかった。いや、誘惑と戦う気がなかった。死ぬかもしれないのに無理」
衝撃的発言。今夜は大雪かもしれない。俺とエクイテスの立場が、兄貴分と弟分が入れ替わった気がする。
エクイテスは結婚もまだなのに、もう左薬指に指輪を嵌めている。エクイテスとクリスティーナ曰く、男性だって婚約指輪をつけても良いはず、らしい。
そんな話、聞いたことない。俺にあれこれ説教して色々教えてきた生真面目男は、クリスティーナですっかり変になった。
「オルト、それより作戦についてどう思う?」
「シンプルだよな。死神騎士から王を守れ。奴の正体には驚きだ。最前線の急襲部隊に普通いるか?」
「アルタイル王国第2王子フィラント・アルタイル。王子自ら先陣兵なんて、うちの国とは大違いだ。同じ第2王子のユース・アルタイルが国王陛下の交渉相手。国王陛下に何かされそうになったら……」
「俺がフィラント、お前がユース」
「オルト、逆だ逆。お前はあの死神騎士と戦ってねえだろ」
「今回こそお前は俺の後ろだ。毎回毎回約束を忘れて前に出やがって。いいか、俺がフィラント。お前はユース。俺がヤベエと思ったら即座に助けろ。それで逃げるぞ」
「体が勝手に動くからなあ。まあ、なるべく守る。交渉が無事に終わると良いんだが」
俺は無言で頷いた。それが万々歳だ。
アルタイルの死神騎士の部隊を集中的に狙って死神騎士を殺せ。それが最初の命令。
その死神騎士がアルタイル王国の王子で交渉の場に同席すると判明して、死神騎士に怯えるゴルダガ王は近衛兵以外に対死神騎士用の騎士を護衛に複数名加えた。
エクイテスとほぼ同時に揃いの黒羽コートに袖を通す。
初交渉は今日の正午。つまり、もう間も無く。
★
交渉の席はウェイルズ平野にアルタイルが設営したテント。テーブルに白いテーブルクロス。椅子は木製で剥き出しで簡素な物。
テントも柱を立てて布を縛っただけ。数分もなく設営出来る代物。
ゴルダガ王が着席し、俺は左側のテーブル端に立った。エクイテスは右側のほぼ同じ位置。エクイテスは死神騎士と相対したことのある数少ない生き残り。そして下級騎士。捨て駒の位置だ。
空席の向こうにアルタイルの兵士達の姿が見える。目測でゴルダガ兵の2.5倍。国土は同程度か少しゴルダガが小さいくらいなのにこの兵力差。
前回、ゴルダガは奇襲から始めて農民兵まで投入して数で押そうとしたので、向こうも頭数を増やしたのだろう。
開戦当時は勝ち戦。その後、死神騎士などによる数ではなく質で負け戦。
侵略目的だったゴルダガと、防戦目的だったアルタイル。ゴルダガが兵を引くことで自然と終戦になった。
(休戦交渉がその場で決裂したら即開戦か? 準備していたアルタイルと、急で準備不足のゴルダガ。平野でこの戦力差。交渉人を国王同士から、向こうだけ急に変更。ダメだな、こりゃ)
エクイテスに「すぐ逃げるぞ」と目配せしてみたが、エクイテスはジッと前を見据えている。
冷たい風が吹き抜ける。チラチラと雪が混じっている。大雪が降る中での戦闘になったら、エクイテスのせいだな。
「お久しぶりですゴルダガ王。少し遅かったですかね?」
黒髪黒目の端麗な顔立ちの男が、爽やかな笑顔を浮かべて着席した。純白礼装にアルタイル王国国紋のバックルが彼が誰だか示している。
ゴルダガ国王の後ろと同じように、彼の後ろにもズラリと騎士が並んだ。そのうち、1人だけがユース王子の右側に立つ。
(確かに見覚えがあるな。エクイテスが落馬させて、こいつの仲間が連れて逃げて、俺が追って、逃げられた)
銀色に輝く兜以外はユース王子と同じような服装。但し、色は黒。
(同じ第2王子って双子か? 確かに似てるな)
「これはこれはユース王子。アルタイル王に何かありました? それから気になっていたのですが、貴方は第3王子でしたかと」
(そうなのか。政治とか知らねえ。とりあえずこのブタ国王がアルタイルを怒らせませんように)
余裕そうな美形王子と脂汗をかいている丸々太った国王。俺はもうアルタイルに寝返りたい。
それだ。交渉決裂になりそうなら、死神騎士の部下になろう。それが良い。化物と戦うより、化物の背中にいる方が生き残れる。
国に忠誠心なんて誓ったことはない。金が貰えて、これから出来る家族が豊かで平和に暮らせれば、どこで暮らしたっていい。
部下や知人のことは心配になるが、守れるのは両手両足分くらい。優先順位が低い者から切り捨てるしかない。人生は取捨選択の連続だ。
「父上は亡くなりまして、兄が跡を継ぎました。我が王家には烏が混じっていたので処刑しました。第2王子の席が空白になりまして」
ユース王子はにこやかな笑みで淡々と告げた。しかし目は笑っていない。1番荒んでいた時のエクイテスの目よりもヤバい目をしている。
犯罪者の目とも違う。暗くて深くて冷たい目で、底なし沼のようだ。冷酷無慈悲だと伝わってくる。コイツは絶対俺と同じ人種だ。
隣に立つ化物死神騎士は目を細めて俺達騎士を順番に睨みつけている。こちらは戦場でよく見る殺気のこもった目。
「それで国内が少々混乱していて戦争など困るのです。この通り、あまり兵を集められません」
豚、じゃなかった。丸々太ったゴルダガ国王の顔色が悪い。
(あまりって、マジかよ。ハッタリか? ゴルダガ王はこの若造にビビってるな。先に仕掛けてきたし、見える範囲以外にも奇襲用に兵を用意してそう。この平野以外は天然要塞なのはまだ救いか。出足が遅れても何とか……)
沈黙の後、ゴルダガ王が咳払いをした。
「それで休戦をしましょうと?」
「要求は1つです。忙しくなるので侵略してこないで下さい。代わりに今回は報復しません。もちろん、次はします。次の侵略行為に対しては徹底的に争い、叩き潰します。その際うっかり、いくつかある飛行機でゴルダガ城を狙い撃ちするかもしれません」
「ひ、飛行機です? まさか。あれは一部の大国にしか存在しない……」
「私は煌国皇帝と親しくしていまして。城を破壊出来れば嬉しいです。チェスは王を討てば終わりでしょう?」
飛行機? 聞いたことのない名称。ゴルダガ国王の怯えようだと、最悪な兵器なのだろう。
何だっけ。どこかで誰かに聞いたな。飛行機と似た名前で、確か……飛行船。
空を飛んで人や物を運べるロストテクノロジー。ロストテクノロジーが何か分からない。空を飛んで……爆弾大量投下なんてされたら王都は終わりか?
迎撃は方法何に……。
「煌国はアルタイルやゴルダガのような小国に見向きしません。ましてや貴重で破壊力のある飛行機を与えるなどあり得ない」
「さあ? どうでしょう? アルタイルは煌国と因縁深い大蛇連合国への中継地点です。交渉に応じますか? それとも半刻後に開戦が良いですか?」
ユース王子はテーブルの肘を乗せ、掌を組んでその上に顎を乗せた。挑発的な眼差しと不敵な笑み。
「半刻後? 戦時規定では……」
「そちらは1時間前に宣言とはいえ、夜間奇襲でしたが? 新たなアルタイル王は国を自ら豊かにします。管理が大変なので領土を増やす気もない。侵略も先制攻撃もしません。行うとしたら報復です。休戦しないのなら高らかに宣言し、ゴルダガ城や周辺を焼け野原。私達が潰したいのは末端ではなくゴルダガ王家や中枢です」
パチン、とユース王子が指を弾く。しばらくして、爆音が轟いた。方角はアルタイル陣営側、ガンブルツェ山脈の方。
「このような脅迫。他……他に要求があるのでしょう?」
この豚野郎。国を背負っているのにビビるんじゃねえ。この心理戦、ゴルダガの負けだ負け。アルタイルの本当の要求は何だ?
「要求は1つです。忙しくなるので侵略してこないで下さい。代わりに今回は報復しません。今は国内整備に人も金も投資したいので」
しばらく睨み合いが続いた。といってもゴルダガ王の顔色はますます悪い。
「要求に応じます。侵略ではなく奪還でした。それだけはお忘れなきように」
「お互い色々と言い分はありますからね。そちらも戦後で色々大変でしょう。正式に休戦をして、気を楽にしましょう。証としてこちらが先に兵を引きます。国民には都合良く説明して下さい。こちらもそうしますので」
書類になんて意味はないが、ゴルダガ国王とユース王子は休戦について書面を作成してサインした。
国王と国王ならともかく、国王と第2王子のサイン。休戦と見せかけて、近いうちに襲撃されるのかもしれない。
両国の気が休まるとは思えない。いや、アルタイルは確実に楽になる。
飛行機とやらでゴルダガ国王を脅したし、ハリボテだとしても兵力差を見せつけ、次の侵略行為を牽制出来た。
俺はチラリとエクイテスを見た。向こうも同じで俺を見た。
ほぼ同時。エクイテスは無表情。おそらく俺も無表情。心の中も多分同じ気持ち。
(よっしゃああああ! これなら帰れる! 一時休戦中にトンズラだ!)
張り詰めた空気の中、ゴルダガ国王とユース王子が握手を交わした。それで終わり。ゴルダガ国王はユース王子よりも素早くテントから出て行った。
ユース王子はのんびりした様子で、ゴルダガ側に決して背を向けず、ひらひら手を振りながら下がっていく。
(あれで王代理か。若いのに豚とは格が違えな)
アルタイルの兵士達がユース王子と同じようにこちらに背を向けずにゆっくりと下がっていく。こちらも同じように退却。
死神騎士は動かずにまだいる。
「そこの君」
死神騎士がエクイテスに声を掛けた。全身の毛穴からドッと汗が吹き出す。
(何だ? エクイテスを覚えていて、連行して処刑でもするのか?)
そうなったらエクイテスを連れて逃亡か? それでアルタイルが怒ったら休戦は破棄?
1歩も動かず、指1本動かさずに神経だけ戦闘準備。何か言い訳を作ってエクイテスを逃そう。考えろ、考えろ俺。
「はい」
「ゴルダガ戦線、いやこの平野で俺は怪我をしました。痛いし熱発して今度こそ死ぬかと思いました。仕留めたと思ったんですが、生きていたんですね」
「はい」
「おかげで病院で知り合った方と結婚しました。ありがとうございます。その指輪の相手と末長くお幸せに。2度と戦場で会わないことを祈っています」
柔らかに微笑んでそう告げると、死神騎士は俺達に背を向けた。もう冬になるというのに、春風が吹いたような感覚。
アルタイル王国の国紋が縫われたマントが風に翻る。
鷲の頭に蛇の体。そこに合わさる正円十字。国を背負って最前線か……。
隙だらけなのに隙がない。若いし一見華奢に見えるが、まるで敵う気がしない。
アルタイルの兵士達がある程度後退すると、俺はエクイテスの隣に移動した。
「お前、覚えられていたな」
「連行、処刑かと思った」
「俺もそう思った」
「逆らったら休戦破棄か? そうも思った」
「俺も思った。逃げ道、言い訳を思いつかなくて焦った。なのにあれ。ヤベえ。俺は初めて上官を欲しいと思った」
「俺に殺されかけて、結婚したからありがとうだって。あんな顔出来る……」
戻ってきた。死神騎士ことフィラント王子がユース王子と並んで戻ってくる。もちろん、アルタイル兵も付いてくる。
「フィラント、黒羽コートってどっち? 右? 左?」
「右だ」
「でもお揃いか。今ももう隣にいる。安そうなコートだし、隊服の色も違うし、目立っているから気になっていた。後ろの誰か、ゴルダガ王に伝えてくれ。要求はなしだと言ったが、少し気が変わったので兵士を2人を捕虜、いや生贄にすると伝えてくれ」
(はああああああ⁈ 生贄……マジか……終わった……。呪いのコートだ。クソッ! さっきのは嘘で死神騎士は激怒してるのかよ……)
「あと彼等に関する者も何名か要求するので差し出してもらう。国民の理解を得るには演出が必要ですので。報復が数名で済むなら安いものですよね?」
俺達に関する者も何名か……終わりだ。この世の終わり。
命乞いしよう。そうしよう。国に連れ帰って見せしめ、処刑なら、まだ寝返って命乞いする時間はある。
エクイテスにチラリと視線を送る。エクイテスは無表情。足を軽く蹴られた。恐らく、考えていることは同じだ。
「おいユース」
「ゲオルグ、向こうに椅子を並べてくれる? で、君達座ってくれる? 残りの騎士は下がった下がった。休戦破棄するぞ!」
当然誰も助けにこない。捨て駒が生贄になっても見捨てられる。
ユース王子に命じられた中年騎士が椅子を移動させた。逃げられないし、逆らえないので素直に椅子に座る。
「ユース王子、2人の武器は?」
「どちらでも」
ゲオルグの質問にユース王子は首を横に振った。剣を渡すか悩む。ゲオルグは何も言わなかった。
目の前にユース王子が仁王立ちした。笑顔で見下ろされる。
「調査するから聞かなくても良いのだが、一応聞こう。右から聞こう。名前とゴルダガでの役職は?」
この前置きは「嘘をつくな」という意味だろう。
「エクイテスです。ゴルダガ王都市内警備騎士隊第5部隊隊長補佐官です」
「名字は?」
「ありません」
「市民か」
「はい」
「家族は?」
「いません」
少し無言。ユース王子は笑顔を消して首を傾げた。
「結婚指輪をしていたって聞いたけど」
「婚約指輪です」
「婚約指輪? 男が? 初めて聞いた。ゴルダガの風習?」
「いえ」
「君、変わってるな。誓いを立てる前から女に縛られたいなんて。私なら全力で拒否する。まあそもそも結婚なんてしないけど。世の中には……話が逸れる。家族はいなくて婚約者が1人?」
「はい」
「彼女の名前は?」
「クリスティーナです」
「クリスティーナの家族は?」
「母親と姉がいます」
俺達、質問をされ続けた後はどうなるんだ? エクイテスはいつもの無表情で淡々と答えているが、内心バクバクしているだろう。
左の目元が痙攣している。エクイテスが滅茶苦茶緊張している時の特徴。ユース王子は再び笑顔になった。
「母親は未亡人ね。姉は独身?」
「はい」
「それでは左。名前とゴルダガでの役職は?」
「オルトです。ゴルダガ王都市内警備騎士隊第3部隊副隊長です」
「名字は?」
「ありません」
「市民か」
「はい」
「家族は?」
「いません」
「君もいないのか。恋人は?」
「います」
「恋人の名前は?」
「アルベルティーナです」
「その恋人の家族は?」
「母親と妹がいます。その妹は隣のエクイテスの婚約者です」
「へえ。面白いな。揃いのコートだから何かあるかと思ったけど部隊は違う。そこか、接点」
「元々は同じ部隊です」
「君は婚約してないの?」
「帰国したらします。帰れる保証もないのに縛るなど出来ませんでした」
「君は堅物、と」
いや違う、逆だと突っ込みそうになった。普段の軽口が出そうになるので唇をしっかり結ぶ。
「君達への要求は1つ。これより私の駒だ。常に命令に従え。愛する者と愛する祖国の為に従って戦え。その代償として先程君達が口にした者達はアルタイルへ連れて行き庇護する。3名だけ。そうそう、反抗は休戦破棄の引き金になるかもな」
(助かったあああああ! 戦力補強か! 死神騎士がエクイテスを恐れたのか? 幸運のコートだ!)
庇護はどの程度だ? こりゃあ俺もエクイテスもこいつに絶対服従だな。
戦えか。アルタイルは国内整備をしたらゴルダガに報復戦争をする気か。人質取られて絶対服従。戦場からトンズラ出来なくなった。
その時はまたアルベルティーナに泣かれるし、クリスティーナはエクイテスをぶん殴るのか。
「はい。かしこまりました」
「祖国は愛していません。何の思い入れもありません。家族の平穏のためなら何でもします。死神騎士に殺されるくらいならいっそ寝返ろうと思っていました。特技はそこその強さです。情報も流します。それなのに休戦までくっついてくるとはありがたいです」
死神とはうっかり口が滑った。フィラント王子は無表情。怒りは感じない。名が通っていて嬉しいという様子でもない。こいつ、エクイテスみたいだな。
「ふーん。えらく潔いな。3名しか助からないのに。君、抵抗も逃亡もしないのは家畜だぞ。私が怖くないから物怖じしないのか。では2人を連れ帰る。ゲオルグ、フィラント、基本的に任せる。連れて行くぞ」
私は怖くないって、俺はお前を人生で1番ヤバイ男だと感じているけどな。
先程、虫ケラを見るような目で俺を見た。あの目は蔑みや嫌悪ではなく無関心。
蟻を踏んでも気がつかないし気にならないのと同じように、利用価値が無いと判断したら俺達もアルベルティーナ達もあっさり踏み殺す。こいつはそういう目をしている。
ゲオルグに命じられたので武器を全て渡した。立つように指示され、歩くように言われる。
俺の隣にはゲオルグより少し若く見える青目の騎士。エクイテスの隣にはゲオルグとフィラントが並んだ。
ユース王子は俺達の前。背中が丸見え。しかし武器はないし、今はまだ襲う理由なんてない。
俺達は状況を理解出来ないままアルタイルの野営地に連れて行かれた。




