蓮月ひなたは水無月ひかりとペアに
だんだん中学生活に慣れてきた5月。
直江東月中学校、略して東中はみんなと早く仲良くなれるために夏休みに入る前の6月に1年生から修学旅行に行くことになっている珍しい学校だ。
今日は1限の授業から計画を立てていた。
班は男女で最初別れて3人で集まりその次に男女でくっつき計6人の班を作る。
俺はいつも通りしんやとゆうきとくっついた。
「なぁなぁー!水無月さんたち誘おうぜ」
「いいな。でも人気だから大丈夫かな?」
そんなとき俺は声をかけられた。
「蓮月くんたちもしペアいないなら一緒にどう?」
俺はしんやたちを見てお願いのポーズをされたので頭をかき短い返事で「うん」と答えた。
「やっぱり京都に行くなら清水寺は行きたいよね」
「あと抹茶パフェも食べたい」
水無月の友達、すずとなながどんどん話を進めていく。
結局2人がいろいろまとめて行く順番が決まった。
「よーし、学校も終わったしこれから3人でカラオケ行かね?」
「おー!いいな!行こう行こう!」
しんやとゆうきはおまえも行くよな?と言う目で俺を見るのではいはいと答えた。
「おーい!蓮月お前今日までのプリント提出してないぞ。今、教務室寄ってけ」
俺は先生に呼ばれた。
そう言えば修学旅行に向けてのアレルギープリント出すの忘れてた。
「わりー!先に言ってて」
俺はしんやたちを先に行かせて先生と教務室に向かった。
教務室に入ると水無月がいた。
水無月も出し忘れたみたいだ。
パパっと書いて俺は教務室から出る。
「待って!校門まで一緒に行こう」
水無月が俺を呼び止める。
一体何を話せばいいのか。
俺は黙って歩いた。
すると水無月の方から話しかけてきた。
「急に班誘って大丈夫だったかな?びっくりしたよね?」
なんだ!そのことを謝りたくて誘ってきたのか。
「嫌、大丈夫。しんやたちも喜んでたし」
「ならよかった。あたしも蓮月くんと話してみたかったし」
そんな話をしてる間に校門に着き、またねと笑顔で言われ俺たちは別れた。
たぶん俺ではなかったら確実に好きになった笑顔だ。
「やべー!こんな時間!急いであいつら追いかけないと」
俺はしんやたちと約束していたカラオケへと急いで向かった。