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蓮月ひなたと地味子の出会い
俺のハンカチを受けとると女はなぜかぐちゃぐちゃの顔で笑った。
「何これ?凄くリアルで美味しそう」あはは
なんだ、笑えば少しは顔マシじゃん。
そんなことを思ってると俺はハッとした。
アップルパイ柄のハンカチ。
笑われた。
今日に限って無地のハンカチ全て乾いてなくて仕方なくって...。
俺は恥ずかしくなって
「ハンカチ使わないなら返せ」
俺は赤らめて手を出した。
「あっありがとうね。でも洗って返すよ。名前は?」
別にわざわざ洗わなくてもと思いながらも俺は小声でそっぽ向きながら名前を言った。
「そっか...ひなたくんか。わかった。また明日ね」
女は何事もなかったかのように俺の前から消えた。
「泣いたと思ったら笑って、クルクル感情変わるやつだな!ってやべー!アップルパイ!」
俺は急いで帰った。