表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/11

【06】リリーちゃんピンチになるの巻き

時が経ち、最初の試験日がやってきた。私達にとっては初めての魔物との戦い。気を抜くわけにはいかんきん!


「リリーちゃん?どうしたの?」


「いや…何でもないっす」


言葉に出してないが体は動いていた。それはさておき今回の試験はナハラ草原に湧くスライムを一定数倒す事だ。スライムと言っても色が違ったりなんか犬っぽいのも…犬っぽいスライム?スライ〇

ここまで言ってしまってはもはやアウト。な、気がするが気にしてはしょうがない。


「さて、皆さん今回の試験の内容ですが、予定通りスライムを狩ってもらいます。1人10体がノルマです。スライムが落とす物を集めてきてください。もうしばらくしたら開始しますので準備をしてください」


もうそんな時間か。さっさと終わらせてゆっくりしますか。


「うぅ…不安になってきたなぁ」


アリスが自信なさそうにしてるな。ここは勇気つけてあげなければな。


「大丈夫だよ、今まで私と頑張ってきたじゃない。絶対いけるよ」


「うん…ありがとうリリーちゃん」


アリスは笑顔でいてくれた方がいい。目の保護にもなるしね!


「それでは皆さん。試験を開始したいと思います。始め!」


掛け声とともに始まったスライム狩り。スタート位置に近いと混雑しそうだし、少し奥の方に行くか…



ーーーーーーーーーー



よし、10体倒し終わったな。帰るとするか…


「あれ…?どっちに行けば良かったっけ?」


しまった。遠くに行き過ぎて皆が見えない。ナハラ草原は広く、学園がある街から少し離れた所にある為、街らしきものも見えない。


「どうしようか…とりあえず直感で行ってみるか」


…………


ここは…どこ?昔から方向音痴だったけどここまで酷かったかな…どうみてもここ草原じゃなくて森のなかだぜ…


「早くここから出てみんなの元にもどらなければ…」


ガサッ


「誰だ!」


剣を構えた。魔力で補強すればある程度は戦えるはずだ。しかし、そこから現れたのは…


「グワァァァァ!」


「!」


いきなり草陰から飛んできたのは、この周辺じゃかなりの強敵である『牙狼』。わかりやすく説明するなら狼が大きくなってさらに凶暴になったやつと言えば分かりやすいだろうか。ちなみに強さをランク別に分けたやつだとこいつらはA〜B級クラスだ。かなりの強敵なのだ。


「一匹だけ…?いや確かこいつらは集団で行動するはず…!」


案の定だ。最初の一撃を防いだ瞬間、後ろからもう1匹が飛んできた。


「ちっ…!『炎の槍ファイヤランス』」


とっさの判断で魔術を使い仕留めることは出来たが…


「くそっ!近くて避けきれずに中ってしまったか…」


もう1匹の方は一撃で仕留めることに成功したが距離が近くすぐに避けきれず、直撃してしまった。


「でもどうにかかすり傷程度か…」


油断してはいけない。分かっていた。でも自分の傷を確認してた時、再び襲撃を受けてしまった。


(避けれないっ…)


その瞬間、私に向かってた牙狼が吹き飛ばされた。


「大丈夫ですか?あれ…この魔力の感じ、まさか!」


目の前には見慣れた少女がいた。前世でお世話になった…


「マスター?マスターですよね!!」


目をきらきらさせて覗き込んできた。


「うん…そうだよ。でもどうやってここに?」


「話は後です。ともかくここから出ましょう」


そう言って彼女は私の手を引いて森から脱出させてくれた。


「ありがとう…助かったよ」


「いえいえ、マスターのためなら何でもしますよ!しかし…あのマスターがこんなに可愛らしいょぅι゛ょになってるなんて…」


「うるせー、好きでこの姿になった訳じゃないんだよ」


今、私の前にいる少女。彼女こそ前世でお世話なった『魔剣グラム』。えっ、なんで魔剣が人間の姿になってるかって?知らないよ、最初からこうだった訳だし。


「あいかわらずですね〜。でも、どうしてここに?」


「迷ったんだよ、悪いか」


「あいかわらず方向音痴なんですね、生まれ変わっても」


うっせーよ、と心の中で思った。


「ともかく、私はノアの街に戻らなければならないから一緒に来てくれ」


「マスターの仰せの通りに」


「てかさ…魔力どうしてるの?」


ここで疑問の一つを聞いてみた。


「そこは大丈夫ですよ、まだマスターとの契約切れてないので!」


まじで?でも何処にも刻印なんて…あ、もしかしてだけど背中なのか?なら見えなくて当然なのだが…


「安心してください、前みたいに刻印はないらしいですよ」


「え?じゃあどうやって…」


「さー?女神さんがなんかやったんじゃないのですかねー」


あー、あの女神か…てかあの人が送り込んだの!?グラムが居るか居ないかでだいぶ変わるからいいけどさぁ…


「ともかく、今は進みましょマスター」


「そうだね。詳しい話は帰ってからだ」


そうして私とグラムは帰るために歩き出した。



ーーーーーーーーーー



「怒られたぁ…」


「元気だして、リリーちゃん。そして、えっと…」


「グラムよ、よろしくね」


私は無事に戻ることが出来たが、遠くに行き過ぎたせいで怒られた。グラムの事については特に何も言われなかった。


「ところでグラム、私の部屋に来るんだよね?」


「もちろんです、マスター。邪魔なら魔剣の姿で居ますから」


「あ、いや気にしなくていい。さて…帰ろっか」


グラムとたくさん話したい事があるし、今日はさっさと帰ってゆっくりしますかね。

ちなみにグラムは人型と魔剣型を使い分けれるらしい

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ