【05】リリーシャ死にかける
翌日、私は死にかけていた。
「リリーちゃん…大丈夫?」
「うん…ただの魔力の使いすぎ…かな」
思ってたより魔力の消費が激しかった。確かに少し消費の思いやつだったけどここまで魔力消費してたっけ?
転生した事で魔力量に変化でもあったのだろうか…
「とりあえず動けるようになったら行くから先に行ってて」
「うん、じゃあ行ってくるね」
遅れると行けないから先にアリスだけでも行かせよう。私が遅れる理由はアリスに任せるしかない。
「さて、どうしようか」
前世の自分…ここまで説明はしてなかったが、私はもともと魔術師の1人だった。まぁ、基本は魔術使うの面倒だったから『魔剣』を振り回してたけどね。
何故面倒だったか、それは単純に詠唱がめんどくさいし、噛みそうになるからだ。それなら物理で殴った方が早かった。
前世の自分も魔力の量は一般の魔術師より豊富である程度重い魔術も行使してたが…この体になって使うと思ってたより負担が大きい。子どもの体にはちょっときついのだろう。
「考えても仕方ないや。とりあえず寝よう。大体は寝れば魔力なんて回復するものだろう」
……………
寝過ごした。今の時間は既に夜。しかし魔力は十分回復出来た。あー…明日なんて言い訳しよ…
コンコン
「リリーちゃん、居る?」
「アリス?どうしたの?」
アリスがやってきた。まぁ一日寝てたわけだし少しくらいは誰かと話したい気分になっていた。
「今日のことなんだけど、先生には魔力の使いすぎで休むって伝えといたから…「ナイス!アリス、助かったよ!」」
「え…?あ、うん。なら良かった…」
アリスが気の利いた事をしてくれたおかげで明日怒られなくてすみそうだ。ありがとう…アリス、心の友よ。
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あれから数日が経ち、授業でも実戦訓練も始まった。人それぞれで受ける訓練は決めれる。もちろん私は魔術と剣術にした。アリスは剣術だけだ。
「やっぱりきついね…あと数ヶ月でテストなんだよね…」
この学園では実戦の訓練として意外と早めに実際の魔物と戦うらしい。それでもスライムが相手なので問題はないだろう。へんに強いスライムがいなければいいのだが…
いや、いるはずもないか…
「でも相手はスライムだし…訓練通りにすれば問題ないよ、多分」
「リリーちゃんは、いいよね…強いし」
「でも剣術だとアリスに負けるよ」
実はアリス…剣を持つとアホみたいに強い。本当に初めてなのかってくらい強かった。 これって天性の才能なのかもね。将来いい剣士になるよ、絶対。
「でも次の試験に向けて頑張らないとね」
「うん、私もリリーちゃんに負けないように頑張る!」
可愛いな、くそったれ。男のままだったら襲ってるぞ。あ、でも年齢的にアウトか。男に転生しててもまだ…ね?
呑気な事を考え、私とアリスは初めての試験に向けて訓練をこなすのであった。
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「ん…ここは確か…女神さんが言ってた所なんでしょうか?」
目が覚めると広大な草原が広がっていた。
「とりあえず、マスターを探しましょう。『魔力探知(マスター限定の超広範囲)』」
それらしき反応は…あ、意外と近くにありますね。ここは一つの都市何でしょうか?
「まずは行動!見つけてから聞いてみれば分かるでしょう」
そうして私、グラムはマスターらしき魔力を追って歩き始めました。
ちなみにここまで何kmあるのだろう…
遅れました。失踪してた訳ではありません(言い訳)