3/3
三
僕たちが身を落ち着けた頃には、僕は小学四年生になっていた。念のために書き添えておくが尋常小学校である。しかしそれでも僕はおかしな子どもだった。階段の最上段から飛び降りて骨折したり、プロレスの真似事をして級友を病院送りにした。
次男も問題を抱えていた。ある日、僕は校長室に呼び出された。君の弟が女子生徒の指を折ったから、お母さんが来るまで少しここで残りなさい、と言われた。本当かな、と思った。アレが相手の指を折るだけで済ませるだろうか。
小学生の頃はよくユージと喧嘩をした。ユージが金属バットを振り回し、テレビのブラウン管が砕る。僕は飛び散った破片を拾ってこいつの脚を切り裂く。その時の傷は今でも彼の右膝に残っている。斜めに、傷の部分だけ膨らんでいるのである。幸い障害には至らなかったが。