箸を持つだけでオーバーワークになる。~とある男の話~
あらすじどうりの内容だぎゃー!
皆さんは、『オーバーワーク』という言葉を知っているだろうか?
言葉の意味だけを訳すと『練習のしすぎ・勉強のやり過ぎ』などといった『やり過ぎ』という意味がある。
つまりは、負荷のことだ。あまりにもやり過ぎな負荷のことを『オーバーワーク』という。
そう思ってくれていい。そして、ここからが大事だが、俺のいっている『オーバーワーク』とはそういう、勉強や練習というより運動面。
筋肉トレーニングの方面で使われている『オーバーワーク』の方を言っているのだ。
さっきは『やり過ぎ』という意味があるといったが、それは言葉の意味だ。
今から説明するのは『筋肉トレーニング的なオーバーワークの意味』だ。
いってしまえば、オーバーワークとは、
あまりにも負荷をかけすぎて、あまりにも筋肉トレーニングをしすぎて、筋肉が増強するのではなく、逆に"筋肉が弱体化し衰退してしまう"ということだ。
つまりは、筋トレやり過ぎたせいで筋肉に過負荷がかかってしまい、筋肉が萎縮し、筋力が落ちる現象というわけだ。
もっと詳しく説明すると『超回復』とかいう固有名詞の説明も必要になってくるから少々省略する。
では、なぜそんな話を今したのか?というと。言ってしまえば簡単な話で。
俺はその『オーバーワーク』がとてつもなく起こりやすい体質なのだ。
普通の成人なら相当な負荷を筋肉にかけない限り、オーバーワークなどまず起こらない。
だが俺の場合は違う。
俺の場合だと、なんと驚け、箸を持つだけでオーバーワークになってしまうのだ。
つまり、『箸を持つだけで筋力の使いすぎ』状態になるのだ。
……どうだ?驚いたか?呆気にとられただろう?
大丈夫。俺自身はもう死ぬほど呆れるから。
そして、今。
そんな超特異体質の俺は朝の関門である『起床』を行っていた。
「ぎいいいいいい!!起き上がれねぇ!」
俺は叫びながら、布団の上で必死にもがく。
そう。これが第一の関門である『体を起こす運動』だ。俺は腹筋も背筋もない。
そんな俺にとって、起床一番の起き上がる行為は地獄だ。
どれほどの筋力を有するのか、想像しただけで恐ろしい。
まぁ、あくまで俺にとってはだがな。
「ぎぃぃぃいいいいい!!!とりぁぁぁぁあ!!」
なんとか起き上がれた。
これも根性と筋肉パワーのお陰だろうか。
いや、筋肉パワーはないから根性のみかな。
これで第一の関門は終了。
そして、第二の関門。
『二本足で立つ運動』である。
人間の下部についている、この両足で直立し立つ、いわば起立だ。
この運動が足にどれほどの負荷を与えるのか。
考えたくない。
「うおおおおおおお!!ファイトぉおおおお!!ぃいいいいいっぱぁぁぁぁぁぁつ!」
某スポーツドリンクのCM台詞をいいながら立ち上がる。
立ち上がる過程の中、太股の筋肉がビキビキ言い始めていた。
というか、ビキビキ言っていた。
今ので筋肉、いや腱も痛めたようだ。
全くもって先が思いやられる。
「た、た、立ったぞおおおおおお!!!!」
そうしているうちに起立ができた。
よくここまで出来たものである。
自分で自分を褒めたい。
いや、褒めよう。
よくやったぞ!自分!そしてもっと成長しろよ!
よくやったぞ!足!そしてもっと強くなれ足!マジカで強くなれるよ!?強くならなきゃ泣くぞ俺!?
「さ、最後……だ」
そして、第三であり最後の関門へと俺は足を踏み入れる。
『二本足で歩く運動』である。
もう俺はこの関門に対して、もう物理的に足を踏み入れるようになるみたいだ。(今、俺上手いこと言ったな)
「よ、よし。いくぞおおおお!」
俺は祈りを捧げる。
何に祈ってるかは分からない。
適当にところてんということにしておこう。
ワーイ、ところてんばんざーい。
そのような勢いで俺は神へと祈りを捧げた。
ついでに足に力を込めた。
いや、何故に足に力を込めることが『ついで』なのだろうか。
元々の目的はそっちのはずだが。
どうやら、俺の精神は足を動かすことより、祈りを捧げることを選んだようだ。
流石はところてん教信者である。
もう止める勢いだが。
「くうううううう!!は、はぁ、右足が動いた!」
右足を出すことに成功をした。なんとか出来た。
人間やればできるのだ。
アメリカの大統領が言っていた、あの言葉通り、人間は志すことに意味をなし、やればできるのだ。
たしか、ボーイズビーアンブレラだっけか。
いや、ボーイズビーアンビシャスだ。
何故に間違えたのだろうか、俺は。
ちなみに、ボーイズビーアンブレラの訳は
『少年は傘である』ということとなる。
駄目だ、この文、訳が死んでる。
「次は左……か」
次に挑戦するは左足。
正直、もう動きたくないのだが、動かなくては話が始まらない。
そう起床という名の話がな。
「どっちみち!ハァ、ハァ、起きても!ハァ、歯磨きと!ハァ、トイレ済ましたら!ハァ、ハァ、また寝るだけ!ハァ、なんだけど!ハァ!」
最後の強いため息以外にした強い台詞のところで、俺は一回一回、少しずつ力を振り絞っていた。
振り絞っているだけで、まだ左足は前に踏み出していない。ちなみに、もう汗がダラダラだ。
汗ふきないかな?確か、汗拭きなら洗面所の何処かにあったっけ。
洗面所ならばちょうどいい、今から行こうとしてたんだ。
さぁー!いこうか!って、いっけね~。
俺はまともに歩けないんだった☆
くそったれ!畜生め!
「よ、よし!いくぞ、いくぞ!左足いいいいいいいいいいいいいい!」
俺は気合を込めて左足を前に踏み出し、床を踏みしめた。
「ハァ……ハァ……ハァ……」
も皮膚からは汗しか出なかった。
熱い。肌もそうだが、特に筋肉が熱い。運動のし過ぎだ。
このままだと明日もいつも通り、筋肉痛の朝から始まるのかもな。畜生。
とはいえ、俺はなんとか両足で一歩踏み出すことが出来た。
あとは簡単だ。今の要領で、足を交互に出せばいいのだ。
俺は昔から物覚えが良いのか悪いのか。
一回でもしたならば、いとも簡単に覚え、出来るようになるのだ。(まぁ、それでも次の日になれば筋肉痛と一緒に仲良く忘れるが)
つまり、なにが言いたいかたいうと。
もう俺はこの難関をクリアしているのだ。
「右足!左足!交互に出してー!右足!左足!交互に出してー!」
どっかのお笑い芸人のしていたネタをパクリながら俺は楽しく足を出す。
だがしかし、実際には何も楽しくはない。
一回一回足を出すたびに、HPの残りゲージが着実に減っていくし、汗は膨大に出るし。
まるでいいことがない。
あるとすれば前に進めることくらいだ。
「くっ……ハァ、ハァ」
そして進み続けて、なんとか来れた。
そう。今の俺の目的、目標、ターゲットである歯磨き。
それを行える洗面所にようやくこれたのだ。
というか、馬鹿じゃないのか。
もうすでに3000字は書いてるのに、やっと洗面所って。
まだ洗面所しかこれてねぇのかよ。
作者もそろそろここら辺のシーン、カットしだすぞ。
いい加減にしろ俺の筋肉。
「さぁ……て。歯磨きをするかなっ!」
そして俺は右手を出した。俺のマイ歯ブラシ。(お値段1000円、素材はプラスチック。柄はピンクの花。姉貴に無理矢理買わされた。姉貴死ね)をとるためである。
またこの歯ブラシをとる描写、歯磨きをする描写が必要なのだが、大人の事情てきにそのシーンはカット。
「次はトイレだ……くそがぁぁぁぁぁ!」
俺はまた歩き出した。
というか、やばいな。カットされてしまった。
俺の三十分間の歯磨きバトルをカットされてしまった。
俺の苦労はなんだったんだよ!
「まぁー!今も!苦労してますけどねええええええええ!!」
またもや、右足と左足の交互出し運動なのだ。
まったく、俺が普通の人間だったなら、こんな〔朝起きる→歯磨きする→トイレいく→またも寝る〕の動作は1000文字程度におさめられるのに。
残念ながら、俺は普通の人間じゃないからな。
主食はヨーグルト。好きな食べ物は野菜全般。嫌いな食べ物は肉全般。
という、肉食動物にブーイングを食らう生態である。
だが、しかし主食がヨーグルトゆえに草食動物にも嫌われるという矛盾。
俺はどうやら雑食動物のようだ。
「…………。やっと、着いた」
そんなこんなでトイレに着いた。
だがしかし、描写が汚くなってしまう恐れがあるのでカット。
またもや、俺の苦労は水の泡だ。
まだ洗剤の泡でないだけマシだが。
正直言って、あとはすることはない。寝るだけだ。
普通ならここで食べ物でも食べるのだろうが。
俺は違う。俺は極端な少食なのだ。
雑食で少食なのだ。
雑少食なのだ。うぬ。この文字だけ見ると新手の雑草の名前みたいだな。
まぁそんなことはいいのだ。
要は俺がものすごく少食と分かってくれればいいのだ。
「寝るか。まだ朝の9時だけど。」
実際は起きたのはもっと早いはずなのだが。
まぁ、そんなことは気にしたら負け、というものだろう。
さぁ、はてさて。
こんなに、書いたのに実際にしたことと言えば下らないことばかり……。
まぁ、なんだ、それがこの物語だし。
別にいいかな。
まぁ、そんじゃ。
また会う日まで。
『上手く、再度の睡眠シーンをカットした』なんてことは言えない。
読んでくださった方。
ありがとうございます!