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2013年 1月1日
正月の朝。僕は何時もの様に午前7時に起きた。そして、何時もの様に窓の自室のカーテンを開け、外の風景を楽しむ、筈だったんだ。でも今朝は何かが何時もと違う様な気がした。あれは何だったんだろうか。それは窓の外を見てから理解した。非現実の様で、現実の様な気もした。僕は2階の自室から町を見下ろした。町には、何時もの様に生活を営む人間の姿は何処にも無かった。いたのはゾンビ達だけだった。驚いたね。それには。まだ夢を見てるんじゃないかと思ってね、右の頬を叩いたら痛みだけが頬に残って、他は何も変わらなかった。ゾンビ達は全身血だらけだったから直ぐに分かったよ。目の色は真っ赤だったしね。気持ち悪っ。あぁ、僕は思ったよ。怖いとかじゃなくて、始まるんだな、と。僕が望んでいた『世界の終焉』が。