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2月1・2・3日
赤い椿白い椿と落ちにけり(河東碧梧桐)
今日から如月。そして今日は俳句界の元老河東碧梧桐の忌日でもある。代表作の椿は本当は春の季語なのだが、「落ちにけり」といふところからどこか冬のさみしい感じもする。夕方から強く雪が降つてきた。今年最大の寒波。
降る雪や昭和は遠くなりにけり(詠み人知らず)
もちろんこれは中村草田男の有名な絶唱「降る雪や明治は遠くなりにけり」を私がもじつたものである。昨晩からの雪は激しく大垣は雪に包まれた。寒く、足元は危ないが清潔な空気の中、同じ時代を生きる人々に愛しさを感じる。もうすぐ立春。
春隣吾子の微笑の日日あたらし(篠原梵)
今日は節分。生徒がたくさん卒業して、体を休めてゐた今週だつたが、今日は教室で勉強を教へる。気持ちに張りがあり、晴れ晴れする。夕食は恵方巻きを二つ食べる。明日は立春。「何事もなくて春立つ明日かな」江戸の井上士朗の句。