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1月19・20・21日
入学試験子ら消ゴムをあらくつかふ(長谷川素逝)
センタア試験終はり、私立大学の入試なども行はれてゐる。また2月の国公立大学の試験に向けて必死に頑張つてゐる子も多い。私はそれを見守つてゐる。今の努力は決して裏切らない。春は近い。
君帰す朝の敷石さくさくと雪よ林檎の香のごとく降れ(北原白秋)
首都圏では雨の降らない日が一カ月以上続いてゐたやうだが、今日は雪が降つてゐるらしい。私の住む東海地方は雨。掲出歌は北原白秋の絶唱として有名。帰つていく恋人への想ひが込められてゐる。
冬深し薔薇園石の天使置く(原田青児)
今日は二十四節季の大寒。ここ何日か、冬の雨の日が続く。ひんやりと冷えてゐる。街もどこかさみしい。春が来るまであと少し。穏やかな季節と新しい出逢ひを待つ。静かな寒中の日々。