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12月22・23・24日
酒になる水やはらかき冬至かな(大屋達治)
明日から連休になる人が多く、忘年会などあるのか、電車の中は愉快さうな酔客が多い、冬至の日。もつとも冬至の日から本格的な寒さが始まり、冬の厳しさが極まるとも言はれる。それを忘れさせるやうに年末年始の楽しい行事が次々ある。
たまきはる命の旅に吾を待たす君にまみえむあすの喜び(皇后美智子)
今日は天皇誕生日。今上陛下は78歳になられる。掲出歌は皇后陛下がご成婚にあたりプロポーズに応へて詠まれた御歌。皇后陛下は当代きつての文人であり、今上陛下の治世はその内助の功も大きかつた。
小窓より覗く聖菓の家の中(辻田克巳)
穏やかなクリスマスイブ。大動乱の年だつたが昨日、今日は穏やかである。ホオルケエキの上にはよく砂糖細工の家や人形が飾つてある。そんなケエキは久しく食べてゐない。朝、小さいケエキを一つ食べた。