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11月13・14・15日
下京の夜のしづもり空也の忌(森澄雄)
今日は平安王朝時代の聖者・空也の忌日。空也は苦しむ民衆に救ひの手をさしのばした。現代日本社会の人々も混迷の中、救ひを求めてゐるやうに見える。しかし冬も夜もいつか終はり、光がさす。
杜甫李白西行芭蕉秋千載(よみ人知らず)
掲出句は読売新聞に何年か前に載つてゐた作品であるが、四人の文豪を上手く織り込んでゐて美事だ。文芸の歴史は千載であり、自然の循環は永遠。穏やかな小春日にそのことを思ふ。
花嫁を見上げて七五三の子よ(大串章)
面白い句だ。七五三のお参りと神前結婚式が重なつたのか?花嫁御寮を見上げるのはませた男の子なのか?憧れを抱く女の子なのか?今日、七五三の日。全国の神社に笑顔があふれる。