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11月1・2・3日
麓さへ熱くぞありける富士の山嶺の思ひの燃ゆる時には(元良親王)
世界的ピアニスト熊本マリ先生のリサイタルにうかがふ。シヨパンや世界のフオルクロオレを楽しむがアンコオル、フアリヤ「火祭りの踊り」は圧巻のパワフルなテクニツクだつた。日本の愛の英雄も燃える恋心を歌つてゐる。
赤葡萄酒飲めば酔うかな身のうちに天鵞絨がいま敷きつめらるる(松平盟子)
仕事などの都合で名古屋駅前のホテルに宿泊。寝酒に飲んだ赤葡萄酒が甘くて美味しかつた。ホテルのサアビスも親切。11月になつてもムシムシして暑く変な気象だが、皆さまお気をおつけ下さい。掲出歌は華麗でエロテイツク。
世の中は夢かうつつかうつつとも夢とも知らず有りて無ければ(小野小町)
世界的舞踊家シルヴイ・ギエムが東日本大震災のチヤリテイのため緊急来日し、被災地を含む全国で公演。文化の日の名古屋公演にうかがふ。愛と哀しみのボレロにとめどなく涙があふれる。私は歌の心を逆手にとり現世に夢を見たのだ。現世でも夢を見ることが出来る。