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10月13・14・15日
肌の内に白鳥を飼うこの人は押さえられしかしおりおり羽ぶく(佐佐木幸綱)
熊川哲也氏の劇団の公演「白鳥の湖」観賞。素晴らしかつた。あの有名なチヤイコフスキイの曲をオオケストラで聴けただけで大満足出来た。何となく悪魔や黒鳥の方が見せ場があるやうな気がするのだが演出によるのだらうか?もともとさうなのだらうか?何だか面白かつた。
月読は光澄みつつ外に坐せりかく思ふ我や水の如かる(北原白秋)
雨に包まれてゐる秋の日。敢へて月の秋の歌を選んだ。雨だが関定子先生ソプラノリサイタルにうかがふ。北原白秋、西条八十、三木露風らが作つた浪漫主義の歌曲に酔ひしれるぜいたくな秋の夜。
月読の光を持ちて帰りませ山路は栗のいがの多きに(良寛)
今日も雨の一日になりさうだが、お足もとにはお気をつけ下さいませ。掲出歌は歌僧良寛が夜道を往く人を思ひやつた歌。万葉集に本歌「月読の光に来ませあしひきの山きへなりて遠からなくに」があり、良寛の教養がうかがへる秋の歌。