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7月22・23・24日
人魂で行く気散じや夏野原(葛飾北斎)
暑い日が続いてゐる。葛飾北斎は人魂になつて夏野原に涼みに行くと歌つた。奇想天外の作品や妖怪の絵もたくさん残した北斎らしい。最近はあまり怪談を聞かないやうな気がするがだうだらうか?
念力のゆるめば死ぬる大暑かな(村上鬼城)
今日は一年で一番暑い日。今日は大暑。念力がゆるむとは我慢する力がゆるむといふ意味だらう。村上鬼城は耳が不自由で貧しさや死を見つめる句を作り続けた。その作品は独特の世界を築いてゐる。
タッチアップなど分かっているのか神宮で原を観ている君のまばたき(黒岩剛仁)
プロ野球オオルスタアゲエムは東北の球場で幕を閉じた。東北出身の選手が先発投手だつた。掲出歌はずいぶん昔、原監督が選手のころの歌である。今、女の子が夢中で観てゐるのはダルビツシユや浅尾や佑ちやんか。昔も今もミイハアである。