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6月13・14・15日
雨晴れて清く照りたるこの月夜またさらにして雲なたなびき(大伴家持)
あまりに雨が降らないのも農業などに困るし、暑くて困るが、早く梅雨入りし、あまり雨が降らない。そんな夜、雲よたなびかないで、月を隠さないで、そんな歌である。夏は夜。夜になるとホツとする。
日本は国のまほろばたたなづく青垣山隠れる日本しうるはし(日本武尊)
日本はまほろば、本当に美しい国と古代の神ヤマトタケルノミコトも歌つた。そんな美しい日本が私たちの愚かさで破壊されてしまつた。しかしまた新しく美しく我が国を立て直さないといけない。私たち一人一人の心の中のまほろばを取り戻すのだ。
まほろばを作りましょうねよく研いだ刃物と濡れた砥石の香り(東直子)
東直子さんは現代短歌の人気ある歌い手である。その歌の中にも「まほろば」といふ言ひ回しが出てくる。私たちは必ずまほろばの日本を再建出来るといふ希望を私は持つてゐる。