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6月1・2・3日
世のことをつくづく思ふ夕まぐれ鐘の音して雨そそぐなり(大正帝)
ご政道のことは考へたくない。無学無教養な私に分かる術もない。しかし内閣不信任案が国会に提出され、我が国の政党政治は崩壊した。大震災の被災者はいまだ避難し、たくさんの方々がいまだに行方不明である。怒りを感じる。復興や救援が先ではないのか?冷たい雨が降る。国民は絶望に沈んでゐる。
三田線は高架に出でて果てむとす辛勝も勝ち奇勝も勝利(三枝昂之)
本日、衆議院本会議で内閣不信任案は否決されたが、菅総理は退陣を表明した。我が国はだうなるのか?大震災の復興もまだまだ進んでゐないのに。被災された方々はこの政争をだう思つただらうか?
人知れず思ふ心も言はでさは露とはかなく消えぬべきかな(落窪姫)
「落窪物語」は日本のシンデレラストオリイだが、落窪姫が継母にいじめられ、不幸のどん底にゐた時に掲出歌を詠んだ。愛する人を想ふ気持ちも告げられず、露のやうに消えてしまいさうな私です。しかし姫は不幸から救い出され、幸福の階段をのぼる。私たちにもこの不幸が終はる時が訪れる。必ず。