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4月4・5・6日

紅のチンタ流れる春の水(西鶴)




明治維新までカレンダアと季節は一致してゐた。西鶴の句はお正月にチンタ(オランダ語で赤ワイン)を飲んだといふだけの歌である。だがウキウキした感じがする。大震災の被災地は酒造も盛んで「お花見控えないで」と言ってゐるそうな。チンタではなく東北のお酒を持つて桜を見に行かうか。





めちゃくちゃの世になれとかって叫びしがその世来たりて我を泣かしむ(前川佐美雄)




衝撃的な歌である。前川佐美雄は戦前、貴族階級でありながら、「心の花」といふ団体に反旗を翻し、プロレタリア文学者を交えた「日本歌人」といふ団体を作つたのである。そんな佐美雄も敗戦後の混乱にこんな歌を詠んでゐる。しかし佐美雄はしぶとく生き残り、塚本邦雄、山中智恵子、前登志雄らを育てた。ただ終生、故郷の奈良を離れなかつた。





君亡きか若狭の登美子しらたまのあたら君さへ砕けはつるか(与謝野鉄幹)




近代以降に詠まれた挽歌でこれほど力強いものを他に知らない。与謝野鉄幹が不倫相手の山川登美子が亡くなつた時に詠んだ慟哭の歌である。これ以外の鉄幹の歌は上手くないので不思議。こんな歌を詠まれて晶子もどんな複雑な気持ちだつたのか?それはそれとして大震災の一人一人の被害者に遺族の方はこんな気持ちを持つてゐるでしょう。

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