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5月7・8・9日

大工町寺町米町仏町老母買う町あらずやつばめよ(寺山修司)




寺山修司の文学にとつて家族は最高に大事な主題だつた。いろんな町があるがどんな町に行つても母、家族は買ふことが出来ない。愛が欲しい。そんなギリギリした感情がほとばしつてゐる。寺山修司は「時には母のない子のように」など屈折した表現も使いつつ、全ての作品の主題は家族への純粋な愛であつた。明日は母の日。





父母が頭かき撫でさくあれと言ひし言葉けとばぜ忘れかねつる(詠み人知らず)




「万葉集」の東国の防人さきもりの歌である。そのため細部がなまつてゐる。しかしそこがいい。一切の虚飾のないこの一首は人間の普遍的な愛を余すところなく描いてゐる。この一首を思ふと涙があふれる。今日は母の日。





世の中を憂しとやさしと思へども飛び立ちかねつ鳥にしあらねば(山上憶良)





この「やさし」は現代語の優しいではなく「やせるほどつらい」といふ意味である。それでも鳥ではないのだから、この世から飛び立つて逃げることは出来ない。人間の悲しみは千年を越えて普遍的である。また山上憶良は民衆を思ひやつてこの歌を詠んだとされるが、本人の悲しみもにじみ出てゐる。そこが胸を打つ。

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